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勝利を確定させるイーブンマネー
目次
- 1.
- ブラックジャック同士の引分けを回避
- 2.
- イーブンマネーを宣言するには
- 3.
- イーブンマネーの損得勘定
- 4.
- イーブンマネーを利用するケースとは
- 5.
- 参考資料
ブラックジャック同士の引分けを回避
2枚のカードが配られてブラックジャック、うれしいですよね。でも、そんなときに限ってディーラーもブラックジャック。絶対勝ったと思っていたら、なんと引分け。
こんなショッキングな事態を回避し、プレイヤーの勝ちを確定させるのがイーブンマネー(even money)というルールです。
プレイヤーのハンドがブラックジャックの場合でも、ディーラーのカードが
や絵札の場合は、ディーラーもブラックジャックとなる可能性があり、最初の2枚のカードを配り終えた時点でプレイヤーの勝ちが確定しません。
引分けを避けて確実に勝ちを手にしたい場合は、ディーラーに対して「イーブンマネー」を宣言します。
イーブンマネーを利用すると勝ちが確定する代わりに、ブラックジャックの加算が得られません。プラックジャックであっても、通常の勝ちと同じく、賭けたチップと同じ額のチップが払い戻されます。
イーブンマネーは、プレイヤーにとってプラスに働く勝ちの確定と、マイナスに働く加算の配当の放棄がセットになったルールです。
イーブンマネーを宣言するには
サレンダーやインシュアランスは、ディーラーがプレイヤーに対して「サレンダーしますか?」、「インシュアランスしますか?」と問いかけてきます。
一方、イーブンマネーはディーラーからの確認はなく、プレイヤーが自ら進んで宣言しないと利用できません。
宣言は、サレンダーと同じく、最初のプレイヤーがヒット、スタンド(ステイ)の判断を開始する前に行います。
このタイミングで、ディーラーに確実に聞こえるくらいの声で、「イーブンマネー」と伝えます。
イーブンマネーは利用するプレイヤーが少なく、イーブンマネーを宣言しても、ディーラーが「何なの?」って顔で一瞬キョトンとするようなリアクションを取ることもあります。
この場合は、すかさず再度「イーブンマネー」と伝えましょう。
イーブンマネーを伝えるジェスジャーは特にありませんが、もしイーブンマネーの宣言にジャスチャーを添えるとすると、手のひらを上に向けて、人差し指から小指までの4本の指を何回か折り曲げ、自分の方へチップを頂戴というような合図、欧米風に言うなら「come on!」のアクションをするのがよいでしょう。
繰り返しになりますが、イーブンマネーはディーラーの方からイーブンマネーをするかの問いかけはしません。プレイヤー自らがイーブンマネーの 意思表示を行わない、プレーはそのまま先に進行します。タイミングを逃さないように、注意が必要です。
イーブンマネーの損得勘定
イーブンマネーはプレイヤーにとって有利なルールなのでしょうか。それともイーブンマネーの利用はプレイヤーには損なことなのでしょうか。
ここでは、イーブンマネーを利用した場合と利用しなかった場合を比較してみます。
イーブンマネーを宣言した場合としなかった場合に、賭けたチップ1枚が何枚のチップとなって戻ってくるかの期待値(枚数)を比較すると、次のようになります。
ディーラー1枚目 | イーブンマネー | 勝負の結果 | 結果の発生確率 | 払戻チップ枚数 | 期待値(枚数) |
|
宣言する | プレイヤー勝ち | 100.00% | 2.0枚 | 2.00枚 |
引分け | 0.00% | 1.0枚 | |||
宣言しない | プレイヤー勝ち | 69.23% | 2.5枚 | 2.04枚 | |
引分け | 30.77% | 1.0枚 | |||
|
宣言する | プレイヤー勝ち | 100.00% | 2.0枚 | 2.00枚 |
引分け | 0.00% | 1.0枚 | |||
宣言しない | プレイヤー勝ち | 92.31% | 2.5枚 | 2.38枚 | |
引分け | 7.69% | 1.0枚 |
表より、ディーラー1枚目のカードが
の場合も絵札の場合も、イーブンマネーを宣言しない方が、プレイヤーにとって得であることが判ります。
しかしながら、ディーラー1枚目のカードが
の場合、イーブンマネーを利用した場合と利用しなかった場合の違いは、2.00枚と2.04枚で、差はわすが0.04枚です。
一方、ディーラー1枚目のカードが絵札(
)の場合、その差は0.38枚と大きくなります。
つまり、ディーラーのカードが
の場合は、イーブンマネーを宣言しないほうがよいが、宣言しても構わない。ディーラーのカードが絵札の場合は、イーブンマネーを宣言しない方がよいということになります。
イーブンマネーを利用するケースとは
イーブンマネーは、インシュアランスと同様に、単純に期待値だけを考えるならば、常に利用しない方がよいという判断になります。
期待値が下がることを理解した上で、あえてイーブンマネーを利用するようなケースは、次の2つです。
- せっかくのブラックジャックが引分けとなってしまったという心理的ダメージを防ぎたい場合
- 連勝連敗戦略を実行中に、勝つ確率を上げる手段
いずれの場合も、イーブンマネーを利用してもしなくても期待値の差が小さいディーラー1枚目のカードが絵札のときにのみ利用するのが懸命です。
参考資料
*1:高橋英之. 2018.『カジノでブラックジャックを楽しむための本』(「第1章」, 「第2章」), ASBクリエイティブ株式会社
最終更新日:2023年02月19日