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ブラックジャック
ブラックジャックは、カジノで行われるトランプを使った代表的なテーブルゲームの1つで、 カードの数の合計を21に近づけることを競うゲームです。
プレイヤーは、ゲームの中で何回も判断を求められます。基本戦略を理解すると、運だけではなく、自分自身の技量により勝利を得たという感覚が味わえる楽しいゲームです。
逆にいえば、基本戦略を理解していなければ、勝つことができません。ブラックジャックは、カジノへ行く前の事前準備が重要なゲームです。
本ページでは、ブラックジャックのルールと基本戦略についてご紹介します。
目次
- Ⅰ.
- ゲームの基本ルール
- 1.
- ゲームの参加者と対戦相手
- 2.
- プレイヤーとディーラーは合計を21に近づけることを競う
- 3.
- カードの数字の数え方
- 4.
- 勝ち、負けの判定
- 5.
- 配当
- Ⅱ.
- テーブルレイアウト
- Ⅲ.
- ゲームの進行
- 1.
- カードの配布
- 2.
- 配布カードの確認(アーリーサレンダーの場合)
- 3.
- 配布カードの確認(レイトサレンダーの場合)
- 4.
- プレイヤーがカードを引く
- 5.
- ディーラーがカードを引く
- 6.
- 勝敗の判定と清算
- 特集
- 一発勝負ダブルダウン
- 特集
- スリル満点スプリット
- 特集
- 分が悪すぎるならサレンダー
- 特集
- 得ではないインシュアランス
- 特集
- 勝利を確定させるイーブンマネー
- Ⅳ.
- ゲームの基本戦略
- Ⅴ.
- 参考資料
ゲームの基本ルール *1
「ゲームの基本ルール」では、ブラックジャックがどのようなゲームかを説明します。ゲームの特徴と基本ルールを理解することができます。
ゲームの参加者と対戦相手
ブラックジャックは、1名のディーラー(dealer)と、1名から数名のプレイヤー(player)で行うゲームです。 ディーラーは、カジノのスタッフで、ゲームの進行役を務めます。プレイヤーは、ケームに賭ける人で、カジノからみるとお客様になります。
ディーラーとプレイヤーは、半円形に近いテーブルに向かい合って座ります。
ブラックジャックは、ディーラーとプレイヤーが対戦します。
プレイヤーは、他のプレイヤーと対戦したり、他のプレイヤーと協力してディーラーと対戦することはなく、ディーラーと1対1で勝負を行います。
テーブルに複数のプレイヤーが参加している場合、複数の対戦が同時進行で行われます。 勝負の「勝ち」・「負け」は、それぞれの対戦ごとに決まります。 すべてのプレイヤーが勝つこともあれば、1人のプレイヤーのみが負けることがあります。
ブラックジャックは勝敗がプレイヤーごとに決まりますが、完全な個人戦ではありません。 他のプレイヤーと、場の流れ、場の雰囲気を共有し、仲間となって楽しむゲームです。 プレーヤー全員が勝ったとき、それがこのゲームの最高に盛り上がる瞬間です。
プレイヤーとディーラーは合計を21に近づけることを競う
ブラックジャックは、プレイヤーとディーラーが、それぞれに配られたカードの合計を、どちらが21に近づけることができるかを競います。 しかし、21に近づけようとするあまり、21を超えてしまってはいけません。
プレイヤーは、2枚のカードの合計が小さい数字の場合は、ディーラーに追加のカードを要求します。
例えば、プレイヤーに配られた2枚のカードがと
の場合、合計は13、21までまだ8足りません。
そこでディーラーにもう1 枚カードを要求します。このディーラーにカードを要求することを「ヒット(hit)」といいます。
合計が21に近いときは、21を超えてしまわないように、追加のカードは不要であることをディーラーに伝えます。 この追加カードを要求しないことを「スタンド(stand)」または「ステイ(stay)」といいます。
ディーラーも2枚のカードの合計が小さい場合は、カードを追加しカードの合計を21に近づけようとします。 この点ではプレイヤーもディーラー同じですが、プレイヤーとディーラーには大きな違いがあります。
プレイヤーは、カードをヒットするか、スタンド(ステイ)するかをプレイヤー自身の意思で決めることができます。 一方、ディーラーはヒットするかスタンド(ステイ)するかを、自分の意志で決めることができません。 あらかじめ決められた規則※に従い、機械的にヒットまたはスタンド(ステイ)を判断します。
※ ディーラーがヒットするか、スタンド(ステイ)するかの規則については、「ディーラーがカードを引く」にて説明します。
カードの数字の数え方
2から9までのカードは、その数字のままカウントします。
と
のカードの合計は12、
と
と
の合計は21になります。
絵札はすべて10と数えます。
と
のカードの合計は16、
と
の合計は20になります。
は、1とも、11ともカウントすることができる特別なカードです。
例えば、と
のカードの合計は、7とカウントすることも、17とカ
ウントすることもできます。
この2枚でスタンド(ステイ)を行うと、は11とカウントし、合計は17とみなされます。
これは、21に近づけるゲームにおいて、7とするりも17とみなした方がより21に近く、強い手となるからです。
一方、と
の2枚のときにヒットすると、3枚目のカードによって、
を1とカウントするか11とカウントするかが異なってきます。
例えば、3枚目にのカードが配られた場合、
は11とカウントします。
11とカウントすると、目的とする合計21となるからです。
3枚目のカードがの場合は、
を1とカウントし、合計は16となります。
を11とカウントすると合計が26 となり、21を超えてしまうからです。
Aと6のように、を11としてカウントしても22以上とならない手を、「ソフトハンド(soft hand)」といいます。
ソフトハンドではないハンドを、「ハードハンド(hard hand)」といいます。
と
または
と絵札の組合せは、合計21になります。この
と
または
と絵札の組合せを「ブラックジャック(brackjack)」といいます。
ブラックジャックは、絶対に負けることのない最強のハンドです。
勝ち、負けの判定
プレイヤーとディーラーの勝ち負けの判定は、次ようなルールで行われます。
- 合計が21以内で、21に近い方が勝ち
- ブラックジャックは21より強い
- 合計が同じ場合は、引分け
- 22以上の場合は負け
プレイヤーのカードの合計と、ディーラーのカードの合計が、両方とも21以下の場合は、数字の大きい方が勝ちになります。
ブラックジャックは、最強のハンドです。相手が合計21であってもブラックジャックの勝ちにちになります。
合計が21以下の場合で、プレイヤーとディラーの合計が同じとなったときは、引分けとなります。 プレイヤーとディーラーが両方ともブラックジャックの場合も引分けとなります。
合計が22以上となった場合は、相手の数字に関係なく、負けとなります。合計が22となることを、「バースト(burst)」または「ツー・メニー(too meny)」といいます。
プレイヤーがバーストとなった場合、その時点でプレイヤーの負けが確定します。ディーラーは、プレイヤーがカードを引き終わった後に3枚目以降のカードを引き始めます。したがって、両方がバーストで引き分けとなることはありません。
配当
ブラックジャックは、他のテーブルゲームと同様に、チップを使って賭けを行います。
ブラックジャックは、勝ったときの配当が高くありません。一攫千金を狙うには不向きなゲームです。
- 勝ったときの配当は、賭け金と同額
- ブラックジャックで勝った場合の配当は1.5倍
- 負けた場合、賭けたチップは没収される
- 引分けの場合、賭けたチップが戻ってくる
ゲームに勝つと、賭けたチップと同額のチップが払い戻されます。例えば、$100のチップを賭け、ゲームに勝利した場合は、同額の$100が払い戻されます。手元には、掛け金の$100と払い戻された$100の合計$200が残ります。
ブラックジャックでゲームに勝った場合は、賭け金の1.5倍が払い戻されます。
例えば、$200を賭けた場合、1.5倍の$300が払い戻されます。
手元には、掛け金の$200と払い戻された$300の合計$500が残ります。※
プレイヤーがゲームに負けた場合、賭けたチップは、ディーラーにより回収されます。プレイヤーは、賭けた分だけ損をします。
引分けの場合、テーブルに置いた賭け金のチップが戻ってきます。ゲーム開始前と比べて、手元のチップに増減はありません。
※ カジノによっては、ブラックジャックの配当が通常の1.5倍でない場合があります。混雑する時間帯など、特定の時間帯に限って1.2倍とするカジノもあります。
テーブルレイアウト *1
表示板: そのテーブルで行われているゲーム名前が表示されています。「BLACKJACK」と表示されているテーブルを選びましょう。 表示板には、ゲームの名前以外に、ミニマムベット(minimum bet)とマキシマムベット(maximum bet)が書いてあります。簡単なルールの説明が載っている場合もあります。
キャッシュスロット: カジノ側が受け取った現金が紛失しないように、テーブルの中へ落としておくための穴です。
チップトレイ: ゲームで利用するチップを入れておくところです。チップは、色別に整理されて入れられています。
シャッフルマシン: トランプのカードを入れて、混ぜるための機械です。
使用済みカード置き場:
プレイヤーがバーストした場合など、ゲームの途中で勝負がついた場合、そのプレイヤーのカードはディーラーによって回収されます。
回収されたカードは、使用済みカード置き場に、全員の勝負が終了するまで一時的に保管されます。全員の勝負が終わると、使用済みカードはシャッフルマシンに戻されます。
ベッティングボックス(ベッティングスペース):
ゲームの賭け金(チップ)を置く場所です。
プレイーヤーがベット用スペースにチップを置くことで、プレイヤーがゲームへの参加の意思表示を行ったことになります。
ベット用スペースは、多くの場合、1つのテーブルに5箇所から7箇所設けられています。
ブラックジャックのときの払戻しの割合:
テーブルの中央に書かれている「BLACKJACK PAYS 3 TO 2」は、ブラックジャックとなったときの払戻しの割合を表しています。
「3 TO 2」は、チップ2枚あたり3枚が払い戻されることを示しています。
ディーラーがカードを引くルール:
ディーラーがカードを引くルールが書かれています。
ディーラーがカードを引くルールは、カジノにより異なります。同じカジノでも、テーブルのミニマムベットが異なると、ディーラーがカードを引くルールが異なる場合もあります。
この表示は、勝負をする上で非常に重要ですので、テーブルに座る前にしっかりと確認してください。詳細は、「ディーラーがカードを引く」を参照してください。
インシュアランスベット用スペースと、払戻しの割合:
インシュアランス(insurance)は、ディーラーがブラックジャックとなり負けることに対する保険の賭けです。
インシュアランスに賭けた場合、ディーラーがブラックジャックとなるとプレイヤーの勝ち、それ以外はプレイヤーの負けとなります。

チップ置きスペース:
プレイヤーが座った側のテーブルの縁は、プレイヤーの手持ちのチップを置く場所です。
チップ以外では、飲み物、灰皿なども、このスペースに置きます。必要ないものは、テーブルには置かないようにしましょう。
ゲームの進行 *1
ここでは、ブラックジャックのゲームの流れについて紹介します。
カードの配布
次のイラストは、プレイヤーが3人の場合に、どのような順番でカードが配られるかを示したものです。カードのアルファベットA~Hは、カードが配られる順番を示しています。
ディーラーは、まず、ディーラーから見て左側にいるプレーヤーから順番にカードを1枚ずつ配ります。イラストの例では、プレーヤー①、プレイヤー②、プレイヤー③の順番でカードが配られます。
すべてのプレイーヤーにカードを配り終えると、ディーラー自身に1枚のカードを配ります。 カードはすべて数字が見える状態で配られます。数字が見える状態で配られたカードを、オープンハンド(open hand)といいます。
1枚ずつカードを配り終えたら、ディーラーは、同じ順番で2枚目のカードを配ります。イラストのように1人に2枚のカードが配られた状態となります。
プレイヤーの2枚目のカードは数字が見える状態で配られ、ディーラーの2枚目のカードは数字が見えないように伏せた状態で配られます。
これでカードの配布は、終了となります。
なお、シンガポールやマカオの多くのカジノでは、ディーラーの2枚目のカードが配られません。ディーラーのカードが1枚の状態で、ゲームが進行します。
ディーラーに1枚のカードのみ配るカジノでは、アーリーサレンダーのルールが採用されています。ディーラーに2枚のカードを配るカジノでは、レイトサレンダーのルールが採用されています。※
※ 正確には、ディーラーに2枚のカードを配るカジノでも、アーリーサレンダーを採用している可能性があります。
ゲームに参加する前に、アーリーサレンダーを採用しているか、レイトサレンダーを採用しているかのルール確認が必要です。
サレンダーの詳細については、「分が悪すぎるならサレンダー」を参照してください。
カードの配布が終了すると、次に、」配布カードの確認が行われます。ブラックジャック発生確認の手順は、アーリーサレンダーとレイトサレンダーで異なるため、別々に説明します。
配布カードの確認(アーリーサレンダーの場合)
1. プレイヤーのハンド確認
ディーラーは、カードを配り終えたら、まず、プレイヤーにブラックジャックが発生していないかを確認します。
プレイヤーがブラックジャックで、かつ、ディーラーがブラックジャックジャックとなる可能性のない場合、つまりディーラーの見えているカードが 、
または絵札でない場合、プレイヤーの勝ちが確定します。
例えば、イラストのようなケースの場合、ディーラーがブラックジャックとなる可能性がないため、プレイヤーの勝ちが確定します。
プレイヤーの勝ちが確定すると、プレイヤーには、その場で勝ち分のチップが支払われます。プレイヤーのカードは、ディーラーによって回収され、使用済みカード置き場に、数字が見えないように重ねて置かれます。
2. ディーラーにブラックジャックの可能性があるとき
ディーラーにブラックジャックの可能性がある場合は、プレイヤーがブラックジャックであっても、ディーラーがカードを引くまで勝負が保留されます。
ゲームは先に進行し、最終的にディーラーがブラックジャックでなかった場合はプレイヤーの勝ちに、ディーラーがブラックジャックの場合は引分けになります。
プレイヤーとしては、せっかくブラックジャックを引いたのに勝ちが確定しないのは、スッキリしないですよね。さらに、待たされた上に、最終的に引分けとなると最悪です。
そんな展開を避けたいプレイヤーのために、ブラックジャックの上乗せ配当を放棄して、勝ちを確定させる方法があります。その方法は、イーブンマネー(even money)をリクエストすることです。
イーブンマネーの詳細については、「勝利を確定させるイーブンマネー」のページにてご紹介していますので、ご参照ください。
イーブンマネーは、プレイヤーから自発的にリクエストしなければいけません。リクエストしなければ、ゲームは自動的に次のステップへ進みます。
3. インシュアランスの確認
ディーラーのハンドが
の場合、
プレイヤーはディーラーのブラックジャック発生に備えた保険を掛けることができます。この保険のことを、インシュアランス(insurance)といいます。
インシュアランスに賭けると、ディーラーがブラックジャックとなったときに、払戻を受けることができます。倍率は、テーブルに記載されています。通常は「2 TO 1」、チップを1枚賭けると2枚プラスされて合計3枚が戻ってきます。
ディーラーがブラックジャックでないときは、インシュアランスに賭けたチップは没収されます。
インシュアランスの賭けはこのタイミングで行いますが、インシュアランスの判定はディーラーが2枚目のカードを引いたタイミングで行われることに注意してください。
インシュアランスの詳細については、「得ではないインシュアランス」を参照してください。
4. サレンダーの意思確認
ディーラーのハンドが
以外のカードの場合、プレイヤーはサレンダー(surrender)を宣言して、ゲームを降りることができます。
サレンダーを宣言すると、プレイヤーの負けとなりますが、チップは半分のみ没収され、残りの半分のチップが戻ってきます。
サレンダーの宣言は、チップの半分が戻ってくるため、手札が悪いときはかなり救われる選択のように見えます。しかし、実際には、宣言した方がよいケースはそれほどありません。詳細については、「分が悪すぎるならサレンダー」を参照してください。
サレンダーを宣言したプレイヤーのゲームは、ここで終了となり、カードは回収されます。他のプレイヤーのゲームが終了し、次のゲームが開始されるまで、しばらく待ちとなります。
これで、2枚の配布カードの確認が終了となります。ゲーム進行は、ようやく、次の「プレイヤーがカードを引く」へ進みます。
配布カードの確認(レイトサレンダーの場合)
1. ディーラーのカード確認
ディーラーは、カードを配り終えたら、まず、ディーラーのオープンカードを確認します。
ディーラーのオープンカードが
の場合は、インシュアランスの確認と、ディーラーのブラックジャック発生の確認が行われます。
ディーラーのオープンカードが
または絵札の場合、ディーラーのブラックジャック発生の確認が行われます。ディーラーがブラックジャックでなかった場合は、サレンダーの確認が行われます。
ディーラーのオープンカードが
から
の場合は、サレンダーの確認が行われます。
2. インシュアランスの確認
ディーラーのオープンカードが
の場合、
プレイヤーはディーラーのブラックジャック発生に備えた保険を掛けることができます。この保険のことを、インシュアランス(insurance)といいます。
インシュアランスに賭けると、ディーラーがブラックジャックとなったときに、払戻を受けることができます。倍率は、テーブルに記載されています。通常は「2 TO 1」、チップを1枚賭けると2枚プラスされて合計3枚が戻ってきます。
ディーラーがブラックジャックでないときは、インシュアランスに賭けたチップは没収されます。
インシュアランスの判定は、このあとすぐにディーラーのブラックジャック発生確認が行われ、確定します。
3. ディーラーのブラックジャック発生確認
ディーラーのオープンカードが
、
または絵札の場合、ディーラーにブラックジャックが発生していないかの確認を行います。
ブラックジャックであるかの確認は、テーブルに埋め込まれた小さな鏡を使って、トランプの角を確認することにより行います。確認は、あくまでもブラックジャックであるか、ないかを確認するものであり、伏せられているカードの数字を確認をするものではありません。
この確認を行うために、レイトサレンダーが採用されているブラックジャックで使われるトランプは、
のカードの四隅に数字が印刷されており、
から
の数字が少し下側にさげて印刷されています。
ディーラーがブラックジャックであった場合は、ディーラーの伏せられていたカードがめくられ、プレイヤーにブラックジャックが発生したことが公開されます。 ゲームはここで終わりとなり、清算が行われます。
ディーラーがブラックジャックの場合、ブラックジャックのプレイヤーは引分けとなり、他のプレイヤーはすべて負けとなります。引分けのプレイヤーのチップは返還され、負けたプレイヤーのチップはディーラーに回収されます。その後、すぐに次のゲームが開始されます。
レイトサレンダーが採用されているときは、ディーラーのブラックジャックの確認の後に、サレンダーの意思確認が行われます。そのため、ディーラーのブラックジャックの手を、サレンダーで被害軽減することができません。
先に説明したアーリーサレンダーが採用されているときの配布カードの確認手順では、ディーラーのハンドが
または絵札のときに、ディーラーのブラックジャックの手をサレンダーで被害軽減することが可能です。
実は、レイトサレンダーは、アーリーサレンダーよりも、プレイヤーに不利なルールなのです。
4. プレイヤーのブラックジャック発生確認 ※ アーリーサレンダーの場合と同じ内容です。
ディーラーがブラックジャックでなかったときは、プレイヤーにブラックジャックが発生していないかを確認します。プレイヤーがブラックジャックの場合、ディーラーはブラックジャックではありませんので、プレイヤーの勝ちが確定します。
プレイヤーの勝ちが確定すると、プレイヤーには、その場で勝ち分のチップが支払われます。プレイヤーのカードは、ディーラーによって回収され、使用済みカード置き場に、数字が見えないように重ねて置かれます。
ブラックジャックとなったプレイヤーのゲームはここで終わりです。他のプレイヤーの勝負が終了するまで、しばらく待ちとなります。
5. サレンダーの意思確認 ※ アーリーサレンダーの場合と同じ内容です。
ディーラーのハンドが
以外のカードの場合、プレイヤーはサレンダー(surrender)を宣言して、ゲームを降りることができます。
サレンダーを宣言すると、プレイヤーの負けとなりますが、チップは半分のみ没収され、残りの半分のチップが戻ってきます。
サレンダーの宣言は、チップの半分が戻ってくるため、手札が悪いときはかなり救われる選択のように見えます。しかし、実際には、宣言した方がよいケースはそれほどありません。詳細については、「分が悪すぎるならサレンダー」を参照してください。
サレンダーを宣言したプレイヤーのゲームは、ここで終了となり、カードは回収されます。他のプレイヤーのゲームが終了し、次のゲームが開始されるまで、しばらく待ちとなります。
これで、2枚の配布カードの確認が終了となります。ゲーム進行は、ようやく、次の「プレイヤーがカードを引く」へ進みます。
プレイヤーがカードを引く
● プレイヤーがカードを引く順番
ようやくプレーヤーの出番です。
ディーラーは、最初に、ディーラーから見て最も左側に座っているプレイヤーに、ヒットするかステイするかの意思確認を行います。
イラストのように3名のプレイヤーがゲームに参加している場合は、まずプレイヤー①の意思を確認します。
プレイヤー①は、追加カードが欲しいときは、ヒットの合図をディーラーに対して行います。追加カードが不要なときは、スタンドの合図を行います。
ヒットは、もう追加カードは不要だよというスタンド(ステイ)の合図を行うか、合計が21以上になるまで何回でも行うことができます。
プレイヤー①がカードを引き終わると、次にプレイヤー②がカードを引きます。プレイヤー③は、プレイヤー②の後にカードを引きます。
● プレイヤーの判断の選択肢
プレイヤーは、ヒット、スタンド(ステイ)の他に、ダブルダウン(double down)、スプリット(split、splitting pair)の判断を選択することができます。
ダブルダウン、スプリットは、特定の条件のときのみ選択できます。
プレイヤーの選択肢 | 選択肢の意味 | 選択できる条件 |
ヒット | 追加のカードを引きます。 | カードの合計が21より小さいとき |
スタンド(ステイ) | カードを引くのをやめます。 | カードの合計が21より小さいとき |
ダブルダウン | 1回のみカードを引くことをを条件に、賭け金を増やします。 | カードが2枚のとき |
スプリット | ハンドを2つに分割します。 | 同じ数のカードが2枚のとき |
ダブルダウン、スプリットには、細かなルールが設定されています。そのため、ゲームの進行とは説明を分けて、別ページにて詳細を説明しています。
ダブルダウンについては「一発勝負ダブルダウン」のページを、スプリットについては「スリル満点スプリット」のページを参照してください。
● バーストしたとき
ヒットした結果、合計が22以上となったときは、その場でプレイヤーの負けが確定します。
バーストしたプレイヤーが賭けたチップとカードは、非情にも、その場ですぐに回収されます。
ディーラーがカードを引く
すべてのプレイヤーがカードを引き終わると、ディーラーがカードを引きます。
ディーラーは、テーブルに書かれているルールに従い、機械的にカードを引きます。ディーラーが、自身の基準や気分により、その場で判断を行うことはありません。
ディーラーは、基本的に16以下のときにヒットし、17以上のときにスタンド(ステイ)します。
しかし、カジノ、または、テーブルにより、1つだけ違いがあります。それは、ソフトセブンティーンのときにヒットするかスタンドするかです。
この違いは、長時間ゲームを行うときには、プレイヤーの損益に非常に大きな影響を与えます。
ソフトセブンティーンのときにスタンドするテーブルの方が、ヒットするテーブルよりも、プレイヤーに有利です。
次の2つの英文は、どちらもディーラーがソフトセブンティーンでカードを引かない場合に、テーブルに書かれている文章の例です。
Dealer must draw all 16 and must stand on all 17’s
Dealer stand on 17 and draw to 16
次の英文は、ディーラーがソフトセブンティーンでカードを引く場合に、テーブルに書かれている文章の例です。
Dealer must hits soft 17
立ち寄ったカジノがソフトセブンティーンでヒットするルールであるならば、プレイをしないか、ちょっと遊ぶ程度に留めておくのが懸命です。
勝敗の判定と清算
ディーラーがカードを引き終えると、プレイヤーごとに勝敗の判断が行われます。
プレイヤーが勝った場合は、勝ち分のチップが賭けたチップの横に追加で置かれます。カードは回収されます。 プレイヤーは、ディーラーがチップを置き、カードを回収するのを見届けてから、チップを引き取ります。
プレイヤーが負けた場合は、ディーラーが賭けたチップとカードを回収します。プレイヤーは、何もすることがありません。
引分けの場合、ディーラーは、じゃんけんのグーでテーブルを1回ないし2回軽くトントンと叩いて、引き分けてあることを示し、カードを回収します。 同時に、口頭で引分けを意味する「プッシュ(push)」や、「タイ(tie)」と告げることもあります。賭けたチップはそのまま残されますので、ディーラがカードを回収したところを見届けた後で引き取ります。
これで1回のゲームが終了し、また新しいゲームが開始されます。
ゲームの基本戦略
プレイヤーに有利なカジノ、テーブル選び
ブラックジャックの基本戦略の第一のポイントは、プレイヤーに有利なカジノ、テーブルを選ぶことです。
ブラックジャックのルールの細部は、カジノごとに異なります。1つのカジノの中でも、ミニマムベット、時間帯などによって、テーブルごとにルールが異なる場合もあります。
次の表は、ルールの違いと、プレイヤーへの影響(有利/不利)をまとめたものです。有利なテーブル探しの参考としてご利用ください。
ルールに違いの発生する状況 | ルールの違い | プレイヤーへの影響 |
ディーラーのカードがソフト17 | スタンド(ステイ)する | ○ |
ヒットする | × | |
ダブルダウンできるプレイヤーのハンド | 制限なし | ○ |
2枚合計10または11のときのみ | × | |
スプリット後の再スプリット | 回数に制限あり | |
回数に制限なし | ☆ | |
できる | ☆ | |
できない | ||
1枚のみ | ||
1枚のみの制限なし | ☆ | |
サレンダーのできるタイミング | 最初の2枚のカードを配り終えた後(アーリーサレンダー) | ○ |
ディーラーがブラックジャックでないことを確認した後(レイトサレンダー) | × | |
ディーラーがブラックジャック時の返金(アーリーサレンダーのとき) | ダブルダウンの追加チップ、スプリットの第2ハンド以降の追加チップが返金される | ○ |
ダブルダウンの追加チップ、スプリットの第2ハンド以降の追加チップは返金されない | × | |
ディーラーが
|
できない | |
できる | ☆ |
○:プレイヤーに有利、×:プレイヤーに不利、☆:プレイヤーに有利だが採用するカジノはほぼない |
1つのゲームにおける基本戦略
プレイヤーのカートとディーラーのカードの組合せがあるときに、プレイヤーがどのような判断をすべきかは、いろいろな人の解析によって求められています。
ブラックジャックの基本戦略の第二のポイントは、解析の結果求められている判断のとおりにプレイすることです。
解析の結果求められた結果は、一覧表にまとめられて、いろいろな箇所に公開されています。この一覧表を、戦略テーブル(strategy table)といいます。
当サイトと連携するブラックジャック練習サイト「ブラックジャック道場」にも、戦略テーブルが掲載されています。(ブラックジャック道場の戦略テーブルへのリンク)
戦略テーブルは、プレイするブラックジャックのルールや、使用するデッキ数によって若干異なる箇所はありますが、ほどんどの組合せはルール・デッキ数の影響を受けません。
したがって、どのサイト・書籍・資料に記載されている戦略テーブルでも構いませんので、1つの戦略テーブルを完全に暗記する必要があります。

本ページでは説明を省略いたしますが、本ページの参考資料である書籍『カジノでブラックジャックを楽しむための本』には、プレイヤーとディーラーのハンドの組合せの解説、戦略テーブル暗記のコツが記載されています。
よろしければ参考としてください。
過去の結果、傾向からの予測戦略
ブラックジャックの戦略に「カウンティング(counting)」という戦略があります。
すでにゲームで使用されたカードの枚数、多くの場合は10と絵札の枚数を記憶し、この後出てくるカードの確率を大まかに予想し、賭ける金額や、ヒット/スタンドの判断の参考にする戦略です。
このカウンティング戦略は、配るカードをカードシュー(card shoe)に入れていたころはある程度効果のある戦略でした。※
※ カードシューに入れられたカードは、複数ゲームで連続して使用され、カードがある程度減ったところでカードと取り出し、使用済みカードとを混ぜ直して再補充されます。
しかし、現在は、シャッフルマシン(shuffle machine)の利用が主流です。
ディーラーは、1つのゲームが終了すると、そのゲームで使用されたすべてのカードをシャッフルマシンに戻してしまいます。つまり、シャッフルマシンに入っているカードは数デッキかもしれませんが、事実上、無限大のデッキが使用されていることに近くなってしまいます。
シャッフルマシンが普及している状況を考慮にいれると、過去の結果を考慮した戦略は、重要視しなくてもよいと思われます。
連勝・連敗発生傾向に基づく戦略
ブラックジャックの基本戦略の第三のポイントは、連勝・連敗におけるチップの賭け方です。この連勝・連敗における賭け方の戦略が、ゲームを勝って終える可能性を高めるポイントです。
連勝・連敗における賭け方の戦略を取らずに同じ枚数のチップを賭け続けた場合、たとえ戦略テーブルどおりに完璧に判断を行っても、何ゲームをプレイするとハウスアドバンテージ分の負けに収束することになります。盛り上がりにも欠け、ただ時間を使っただけという結果にもなりかねません。
連勝・連敗における賭け方の戦略は、戦略の肝でもあり、なかなか情報は公開されません。各プレイヤーが、それぞれの分析と経験により、独自のノウハウとして保持してます。
そのような状況もあり、ここで明快な戦略をご紹介することができません。 先にご紹介した書籍『カジノでブラックジャックを楽しむための本』には、連勝・連敗における賭け方の戦略を考える上でのヒントが記載されていますので、こちらも、もしよろしければご参考としてください。
参考資料
*1:高橋英之. 2018.『カジノでブラックジャックを楽しむための本』(「第1章」, 「第2章」), ASBクリエイティブ株式会社
最終更新日:2023年07月10日