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スリル満点スプリット
ハンドの2枚のカードが同じ数字の場合、スプリット(split)を宣言してハンドを分割し、同時に複数のハンドをプレイすることができます。
スプリットは、ダブルダウンと同様に、プレイヤーに有利なルールです。
ハンドを分割するときは、元の掛け金と同額を追加して賭けます。分割したハンドに対してダブルダウンや再スプリットを行うこともできるため、思わぬ大勝負に発展することがあります。スプリットは、スリル満点です。
目次
- 1.
- 同時に2つの勝負ができる
- 2.
- スプリットの宣言方法
- 3.
- スプリットの宣言を行うと
- 4.
- 大チャンスに発展する可能性
- 5.
- 大ピンチとなるりクスもある
- 6.
- Aのスプリットは特別ルール
- 7.
- 絵札のスプリットは悪手
- 8.
- 負けても追加チップが戻るケース
- 9.
- 参考資料
同時に2つの勝負ができる
配られた2枚のカードが同じ数字の場合、ハンドを分割し、2つのハンドを同時に楽しむことができます。ハンドを分割することをスプリット(split、splitting pairs)といいます。
このイラストでは、配られたカードが2枚とも
です。このように2枚のカードが同じ数字の場合、スプリットを宣言し、ハンドを分割することができます。
スプリットすべきかの判断は、プレイヤーのカードとディーラーのカードと合わせて判断します。プレイヤーの2枚のカードの数字が同じでも、ディーラーのカードが強いカードの場合は、分割により負けが増えてしまうため、分割は見送ります。
スプリットを選択すべきケースは、次の戦略テーブルで「SP」と記載されたプレイヤーのハンドとディーラーのオープンカードの組合せです。※
ディーラーのオープンカード | |||||||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | T | A | ||
プ レ イ ヤ | |
|
SP | SP | SP | SP | SP | SP | H | H | H | H |
|
SP | SP | SP | SP | SP | SP | H | H | H | H | |
|
H | H | H | SP | SP | H | H | H | H | H | |
|
D | D | D | D | D | D | D | D | H | H | |
|
SP | SP | SP | SP | SP | H | H | H | H | H | |
|
SP | SP | SP | SP | SP | SP | H | H | SU | H | |
|
SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SU | SP | |
|
SP | SP | SP | SP | SP | S | SP | SP | S | S | |
T と T | S | S | S | S | S | S | S | S | S | S | |
|
SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP |
※ 現在多くのカジノでプレイできるルールの戦略テーブルです。戦略テーブルの一部を抜粋して掲載しています。アーリーサレンダーが採用されていることを想定した戦略テーブルです。
スプリットの宣言方法
スプリットの宣言は、最初に賭けたチップの左横に追加のチップを並べて置き、続けてひとさし指と中指でVサインを作り、ひとさし指と中指をテーブルに着けて行います。ディーラーに明確に意思を伝えるため、このVサインのアクションは必ず行ってください。
アクションを行うと同時に口頭で「スプリット」とディーラーに告げても構いませんが、アクションを行わずに口頭で告げるだけではいけません。アクションを行わずに追加のチップを置くだけでは、ダブルダウンを行いたいのか、スプリットを行いたのか、明確に判断できないからです。
そのため、スプリットの宣言をするときは、ディーラよりこのアクションを求められます。
追加で置くチップは、必ず最初に賭けたチップと同額にします。最初のチップより増やしたり、減らしたりすることはできません。
スプリットの宣言を行うと
プレイヤーがスプリットの宣言をすると、ディーラーは2枚のカードを離して置きます。カードに合わせて、ベットしたチップも離して置かれます。これでハンドが分割されて2つになります。
この2つのハンドはカードが1枚しかありませんので、次にディーラーは、プレイヤーからみて右側にあるハンドにカードを1枚追加します。
プレイヤーは、プレイヤーからみて右側のハンドのプレイを進めます。
プレイヤーからみて右側のハンドのプレイが終了すると、ディーラーはもうひとつのハンドに2枚目のカードを配り、2つめのハンドのプレイが始まります。
大チャンスに発展する可能性
スプリットを宣言してハンドを2つに分割すると、掛け金は2倍になります。2倍の賭け金は先に説明したダブルダウンと同じですが、スプリットはダブルダウンと異なり、さらに大勝負となる可能性を秘めています。
例えば、
のカードのスプリットでは、スプリット後にダブルダウンを行ったり、再スプリットを行うことで、掛け金がさらに大きくなります。
本ページのタイトル「スリル満点スプリット」の意味をご理解いただけたことと思います。
なお、スプリット後のダブルダウンの宣言、スプリット後の再スプリットの宣言は、単純にダブルダウンやスプリットを行う場合と同じです。
大ピンチとなるりクスもある
スプリットは、大チャンスとなる可能性を秘めると同時に、大ピンチとなるリスクもあります。 次のイラストは、大ピンチとなるリスクが現実となってしまったものです。
こうなってしまうと、後はディーラーがバーストとなるのを祈るのみです。
Aのスプリットは特別ルール
最初に配られたカードが2枚とも
の場合、スプリットを行わずに合計2または12 とカウントしてゲームを継続するか、スプリットを宣言するかの選択しなければいけません。
のカードが2枚の場合、スプリットを選択する方が圧倒的にプレイヤーに有利なのですが、圧倒的に有利な状況であるゆえに、多くのカジノでは、
のスプリットには他のカードのスプリットとは異なるプレイヤーに不利となる制限が設定されています。
● 引けるカードは1枚のみ
まず、ほとんどのカジノで採用されているのは、引けるカードが1枚のみというルールです。
同じくカードを1枚しか引けないダブルダウンの場合と同様に、引いたカードは横向きに置かれます。
のスプリットで最も残念なことは、イラストの「1」のように引いたカードが10と数えるカードであった場合に、ブラックジャックとは扱われないことです。
イラストの「1」のハンドは、単に合計21となり、この時点で勝ちが確定しないだけでなく、 ブラックジャックで勝った場合に受け取れる上乗せの払戻しが受けられません。
イラストの「2」のハンドは、14とカウントされます。ソフトハンドのように4または14とカウントし、追加のカードを引いてより21に近づけるチャレンジを行うことはできません。
● 再スプリットができないカジノも多い
もう1つ、
のスプリットにおいて多くのカジノで設定している制限は、スプリット後に引いたカードが
でも、再スプリットができないことです。
の再スプリットを制限しているカジノでは、イラストのハンドは2つとも合計12となります。
このような制約があっても確率・期待値を考えると、
のカードが2枚揃ったときは、スプリットをした方が得になります。
● 意外と平凡な結果に終わることも多い
実際にプレイしているときの体感によると、
2つのハンドで両方とも、2枚目のカードに大きな数字が配られて、好結果に終わるケースは多くありません。
また逆に、2つのハンドとも小さなカードが配られて、失敗に終わるケースも多くありません。
のスプリットは、カードが配られたときに抱く第一印象とは異なり、1勝1敗と平凡な結果に終わるケースが意外と多くあります。
絵札のスプリットは悪手
配られた2枚のカードが絵札の場合、絵札の種類が違ってもスプリットを宣言してハンドを分割することができます。
と
の組合せでスプリットできるのはもちろん、
と
、
と
の組合せの場合もスプリットを行うことができます。
しかし、この絵札のスプリットは、良い選択とはいえません。
引いたカードがまた絵札で、合計20が2セットとできる可能性がかなりありそうですが、10と数えるカードを引いて合計20となる確率はそれぞれ約3割、両方とも合計20になる確率は9.5%しかありません。
それどころか、イラストのように、分割したハンドがあまり強くない数字で終わったり、最悪の場合はバーストとなってまうこともあります。
絵札2枚はスプリットせずに合計20として1勝を狙う、これはブラックジャックプレイヤーのセオリーです。
負けても追加チップが戻るケース
ダブルダウンの場合と同様に、スプリットの場合でも、負けても追加チップが戻るケースがあります。
負けてもチップが戻ってくるケースがあるのは、アーリーサレンダーが採用されているテーブルで、スプリット後にディーラーがブラックジャックとなった場合です。
プレイーヤーに2枚の
のカードが配られ、ディーラーに
のカード
が配られた状況を例に考えてみましょう。
この状況で、プレイヤーがスプリットを宣言し、2つのハンドが合計18となったとします。勝敗は、ディーラーの2枚目以降のカードによって決まります。
ディーラーの2枚目のカードが絵札の場合は、ディーラーはブラックジャックとなり、プレイヤーのハンドは2つとも負けになります。プレイヤーが負けた訳ですから、普通に考えると両方のハンドのチップが没収となります。
しかし、カジノによっては、片方のハンドのチップのみ没収となり、もう一方のハンドのチップは返還されます。
これは、最初のカードを配ったあとにディーラーがプラックジャックであるかを確認すれば、プレイヤーはスプリットを行う必要がなかったため、片方の賭け金が戻るルールとなっていると推測することができます。
参考資料
*1:高橋英之. 2018.『カジノでブラックジャックを楽しむための本』(「第2章」), ASBクリエイティブ株式会社
最終更新日:2023年05月22日