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テキサス ホールデム
テキサス ホールデム(Texas hold’em)は、ホールデム系のポーカーゲームの1つで、いろいろな種類のあるポーカーゲームの中でとても人気のあるゲームです。
ゲームの名称に「テキサス(Texas)の地名が入っていますが、これはこのゲームが20世紀の初めごろにテキサスで始まったとされる説と深い関係があります。*1
目次
- 1.
- ゲームの概要
- 2.
- 2つのゲーム形態
- 3.
- コミュニティ カードの公開とベッティング ラウンド
- 3.1
- カードの公開順序と名称
- 3.2
- ベッティング ラウンド
- 4.
- 戦略を考えるための参考情報
- 4.1
- 役の発生確率
- 4.2
- ホール カードより予想される完成ハンドの強弱
- 5.
- 関連ページへのリンク
- 5.1
- ゲーム紹介ページへのリンク
- 5.2
- 用語紹介ページへのリンク
- 5.
- 参考資料
- 特集
- ディーラー対戦型テキサス ホールデム
- 特集
- プレイヤー対戦型テキサス ホールデム
ゲームの概要
テキサス ホールデムでは、プレイヤーに配られた2枚のホール カード(hole card)と、すべてのプレイヤーが共通で使用する5枚のコミュニティ カード(community card)の合わせて7枚のカードから、最も高い(強い)ランクのハンドとなる5枚のカードを選択してハンド(hand:手、porkar hand)を作り、他のゲーム参加者とハンドのランクを競います。
※ 日本語では、「コニュニティ カード」を、「共通カード」と呼ぶ場合があります。
では、次のイラストで、具体的に、7枚のカードから5枚のカードを選択する例を確認してみましょう。
まず、プレイヤーAについて確認します。7枚よりカードを選択してできる最も高い(強い)ランクの役は、のスリー オブ ア カインドです。
役を構成する以外のキッカーには、ランクの高い数字のカード2枚、
と
を選択します。
一方、プレイヤーBには、のストレートが成立しています。
この勝負は、プレイヤーAがスリー オブ ア カインド(スリー カード)、プレイヤーBがストレートですので、プレイヤーBの勝ちとなります。
2つのゲーム形態
当サイトでは、下記の2種類の形態のテキサス ホールデムについて、情報を提供しています。詳細については、それぞれのページを参照してください。本ページでは、両方のゲームに共通の情報について、概要を紹介しています。
一般的に「テキサス ホールデム」というときは、プレイヤー対戦型のテキサス ホールデムを指します。ルールが難しく、プレイヤー間の駆け引きがあり、戦略が複雑です。この駆け引きと戦略の複雑さが、ゲームの魅力です。
当然、駆け引きと戦略の複雑さは、未経験者がゲームに参加する障壁となります。熟練者のサポートがなければ、ゲームを理解し、プレイを楽しむことができるようには、なかなかなれません。
一方、ディーラー対戦型テキサス ホールデムは、ディーラーとの1対1の対戦「ヘッズ アップ」で、駆け引きがありません。ポーカーの役についての基本的な知識があれば、テーブルの後ろからしばらくプレイを観戦するたけでゲームに参加できるレベルです。
上級プレイヤーの方々は「ディーラー対戦型テキサス ホールデムなどテキサス ホールデムではない」と言いたいでしょうが、未経験者や経験の浅いプレイヤーにとっては、この敷居の低さはとても魅力です。
※ ホールデム系以外のゲームを含めた共通の情報については、ポーカーのページを参照してください。
コミュニティ カードの公開とベッティング ラウンド
カードの公開順序と名称
テキサス ホールデムでは、次の4段階でカードが配布、公開されます。
1. ホール カード(hole cord)の配布
ゲームが始まると、各プレイヤーに対して、裏向きに2枚のカードが配られます。この2枚のカードを、ホール カード(hole card)といいます。
また、このホール カードを、全員に配り終わった状態をプリ フロップ(pre-flop)といいます。
2. フロップ カード(flop card)の公開
5枚のコミュニティ カードは、3回に分けて配られます。まず、最初に3枚のカードが配られます。この3枚のカードを、フロップ カードといいます。
3. ターン カード(turn card)の公開
3枚のフロップ カードの後に、1枚のコミュニティ カードが公開されます。このカードを、ターン カードといいます。
4. リバー カード(river card)の公開
最後に、残りの1枚のコミュニティ カードが公開されます。このカードを、リバー カードといいます。
ベッティング ラウンド
プレイヤーは、4段階のカードの配布の合間あいまに、ベット、レイズ、チェック、コール、フォールドなどの賭けに関するアクションを、座席順に行います。
このプレイヤーが順番に行う賭けに関する一連のアクションを、ベッティング ラウンド(betting round)といいます。
一般的なプレイヤー対戦型のテキサスホールデムでは、次の4つのベッティングラウンドがあります。
1. プリ フロップのベッティング ラウンド
最初のベッティング ラウンドは、すべてのプレイヤーにホール カードを配った後、プロップカードが公開される前のプリ フロップの状態で行います。
2. フロップのベッティング ラウンド
2回目のベッティング ラウンドは、3枚のフロップ カードが公開された後に行われます。
3. ターンのベッティング ラウンド
3回目のベッティング ラウンドは、ターン カードが公開された後に行われます。
4. リバーのベッティング ラウンド
最後のベッティング ラウンドは、リバー カードが公開された後に行われます。
一方、マイナーなディーラー対戦型のテキサスホールデムでは、リバーカードが配られた後のアクションがありません。
この違いは、プレイヤー対戦型のテキサスホールデムではプレイヤー間の駆け引きがあるにに対して、ディーラー対戦型のテキサスホールデムには駆け引きがないことに依存しています。
戦略を考えるための参考情報
役の発生確率
52枚からランダムに7枚を選択し、その7枚のカードより最もランクが高く(強く)なる5枚のカードを選択したときに、役が成立する確率は次のとおりです。*2、*3
成立する役のランク | 発生確率 |
ストレート フラッシュ | 0.031 % |
フォア オブ ア カインド | 0.168 % |
フル ハウス | 2.596 % |
フラッシュ | 3.025 % |
ストレート | 4.619 % |
スリー オブ ア カインド | 4.830 % |
ツー ペア | 23.496 % |
ワン ペア | 43.823 % |
ハイ カード | 17.412 % |
もっとも発生する確率の高い役はワン ペアで、ハンドの半分近くの約43.8%がワン ペアとなります。
ワン ペア以上の何らかの役ができる割合は、82.6%もあります。確率だけからみると、ハイ カードはかなり分が悪いことが解ります。
一方で、ストレート フラッシュ、フォア オブ ア カインドは極端に発生確率が低く、円グラフでは表示できないレベルです。
ちなみに、ストレート フラッシュの特別な構成であるロイヤル フラッシュの発生確率は、ストレート フラッシュの18.494%、全体の0.003%しかありません。
ホール カードより予想される完成ハンドの強弱
プレイヤーは、2枚のホール カードが配られたとき、強いハンドを完成させる確率が高いか、そうでないかを、おおまかに把握します。
ここでは、ホール カードごとにヘッズ アップで対戦を行ったときの勝率を基に、どのホール カードの組み合わせで強いハンドの完成が期待できるかを確認します。
● ホールカードの2枚がスーツ(マーク)違いのとき
ヘッズ アップで対戦したとき、プレイヤーの2枚のホール カードより期待される勝率は、次のとおりです。*3
※ 引分のケースは、勝率の計算より除外しています。つまり、勝率は、(勝つ事象数)/(全事象数 - 引分事象数)で求められています。
ホール カード2 | ||||||||||||||
A | K | Q | J | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | ||
ホ | ル カ | ド 1 |
A | 85.396 | 65.585 | 64.703 | 63.848 | 63.022 | 61.066 | 60.178 | 59.147 | 57.971 | 58.010 | 57.010 | 56.087 | 55.132 |
K | 82.577 | 61.695 | 60.813 | 59.988 | 58.038 | 56.218 | 55.378 | 54.392 | 53.456 | 52.430 | 51.488 | 50.531 | ||
Q | 80.102 | 58.340 | 57.492 | 55.526 | 53.724 | 51.834 | 51.067 | 50.126 | 49.088 | 48.138 | 47.172 | |||
J | 77.664 | 55.401 | 53.360 | 51.545 | 49.669 | 47.748 | 47.046 | 46.001 | 45.047 | 44.076 | ||||
10 | 75.189 | 51.586 | 49.710 | 47.817 | 45.908 | 43.962 | 43.170 | 42.215 | 41.243 | |||||
9 | 72.231 | 48.016 | 46.125 | 44.215 | 42.278 | 40.162 | 39.474 | 38.505 | ||||||
8 | 69.335 | 44.806 | 42.879 | 40.941 | 38.836 | 36.760 | 36.064 | |||||||
7 | 66.404 | 41.890 | 39.941 | 37.848 | 35.782 | 33.644 | ||||||||
6 | 63.442 | 39.318 | 37.243 | 35.187 | 33.060 | |||||||||
5 | 60.468 | 37.378 | 35.357 | 33.249 | ||||||||||
4 | 57.132 | 34.171 | 32.096 | |||||||||||
3 | 53.757 | 31.148 | ||||||||||||
2 | 50.341 |
単位:%、小数点以下第4位を四捨五入 背景 :70%以上、 :60%以上・70%未満、 :50%以上・60%未満、 無色:40%以上・50%未満、 :40%未満 |
表の見かた:
2枚のホール カードのうち、ランクの高い(強い)カードをホールカード1、ランクの低い(強い)カードをホールカード2とします。
例えば、ホール カードが
と
のときは、
がホールカード1、
がホールカード2
となります。
次に、表で、ホールカード1の「K」行と、ホールカード2の「10」の列の交点を確認します。その交点のマスに書かれている数字が、そのホール カードの勝率です。

● ホールカードの2枚がスーツ(マーク)揃いのとき
ヘッズ アップで対戦したとき、プレイヤーの2枚のホール カードより期待される勝率は、次のとおりです。*3
※ 引分のケースは、勝率の計算より除外しています。つまり、勝率は、(勝つ事象数)/(全事象数 - 引分事象数)で求められています。
ホール カード2 | ||||||||||||||
A | K | Q | J | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | ||
ホ | ル カ | ド 1 |
A | 67.331 | 66.504 | 65.705 | 64.935 | 63.115 | 62.297 | 61.346 | 60.260 | 60.306 | 59.390 | 58.542 | 57.666 | |
K | 63.672 | 62.848 | 62.079 | 60.266 | 58.573 | 57.802 | 56.894 | 56.029 | 55.088 | 54.223 | 53.344 | |||
Q | 60.509 | 59.720 | 57.892 | 56.217 | 54.461 | 53.578 | 52.888 | 51.936 | 51.064 | 50.176 | ||||
J | 57.740 | 55.844 | 54.157 | 52.415 | 50.632 | 49.986 | 49.028 | 48.151 | 47.256 | |||||
10 | 54.165 | 52.423 | 50.666 | 48.893 | 47.083 | 46.361 | 45.484 | 44.591 | ||||||
9 | 50.833 | 49.078 | 47.306 | 45.505 | 43.545 | 42.916 | 42.026 | |||||||
8 | 47.839 | 46.052 | 44.251 | 42.301 | 40.375 | 39.740 | ||||||||
7 | 45.124 | 43.315 | 41.377 | 39.460 | 37.476 | |||||||||
6 | 42.728 | 40.809 | 38.901 | 36.929 | ||||||||||
5 | 40.923 | 39.050 | 37.096 | |||||||||||
4 | 37.939 | 36.015 | ||||||||||||
3 | 35.124 | |||||||||||||
2 |
単位:%、小数点以下第4位を四捨五入 背景 :70%以上、 :60%以上・70%未満、 :50%以上・60%未満、 無色:40%以上・50%未満、 :40%未満 |
考察1:最も強いホールカード、最も弱いホールカード
数字のランクの高低(強弱)を考えると推測できるとおり、最も強いホール カードは、
のペアです。ヘッズ アップで期待できる勝率は、85%以上になります。
一方、最も弱いホール カードは、スーツ(マーク)違いの
と
の組合せです。
こちらも、数字のランクの高低(強弱)を考えると、容易に推測できます。期待できる勝率は、約31%です。
考察2:数字のランクどおりではない強弱の順序
ホール カードごとの勝率の表を左から右に見ると、勝率が徐々に下がっていることがわかります。これは、ホールカード2のランクが徐々に下がることが原因です。
しかし、表をよく見ると、カードの数字のランクの高低と勝率の高低が逆転している個所があります。
例えば、スーツ(マーク)違いの
と
の組合せと、
と
の組合せの勝率を、表で再確認してみてください。
この2つのホール カードは、
が共通に含まれています。もう一方のカードは、
と
の違いがあり、ランクの高い6を含むプレイヤーAのカードの方が高い勝率を期待できそうに思えます。
しかし、実際は、
と
のプレイヤーAの勝率が57.971%、
と
のプレイヤーBの勝率は58.010%で、ほんのわずかですが
と
の方が高い勝率となっています。
これは、
と
では
という2枚のホール カードを含むストレートが成立する可能性があるのに対して、
と
ではこの2枚のカードを両方とも含むストレートが成立する可能性がないことが理由です。
それぞれのホール カードで、計算により求めたストレートが成立する確率は、次の表のとおりです。
と
のストレート発生確率が、
と
よりも高いことがわかります。
ホール カードの組合せ | ストレート成立確率† |
|
2.674 % |
|
4.428 % |
†:ストレート フラッシュを含め、ストレートとフラッシュ以上の役が同時に成立したときのケースは、発生確率の計算対象より除外しています。 |
考察3:スーツ揃いは、スーツ違いよりどれだけ強い
ホール カードを覗き込んだとき、2枚のカードが同じスーツ(マーク)であると、どうしてもフラッシュの成立を期待してしまいます。
実際のところ、2枚のカードが同じスーツ(マーク)のときは、どの程度フラッシュが期待できるのでしょうか?
次の表は、フラッシュの成立割合と、期待される勝率を、2枚のカードが同じスーツ(マーク)のときと違うときを比較したものです。なお、比較に際して、スーツ(違い)しかないポケット ペアと呼ばれる2枚の数字が同じケースは除外してあります。
ホール カードの組合せ | フラッシュ成立確率‡ | 期待される勝率 § |
異なるスーツ(マーク)† | 1.972 % | 48.065 % |
同じスーツ(マーク) | 6.582 % | 50.938 % |
†:スーツ(違い)しかないポケット ペアと呼ばれる2枚の数字が同じケースは除外してあります。 ‡:ハンドがフラッシュとなる確率とストレート スラッシュとなる確率の合計です。 § :異なるスーツと同じスーツの発生事象数が異なること、2つの数字が同じポケット ペアの事象が含まれていないことから、2つの数字を単純に平均しても50%とはならないことに注意してください。 |
表より解るとおり、ホール カードのスーツ(マーク)が同じときのフラッシュ発生確率は、異なるときの3倍以上です。
しかしながら、確率が高いといっても、スーツ(マーク)が同じときにフラッシュが成立する確率はたったの6.5%強しかありません。
ホール カードのシーツ(マーク)が同じという理由だけで前のめりにならず、冷静に判断しないといけません。
関連ページへのリンク
ゲーム紹介ページへのリンク
ゲームの進行などの詳細については、「ディーラー対戦型テキサスホールデム」および「プレイヤー対戦型テキサスホールデム」のページに説明を掲載しています。
用語紹介ページへのリンク
ポーカーでを楽しむためには、たくさんの用語を覚える必要があります。加えて、テキサス ホールデムでは、このゲームに特有の用語がたくさん使用されます。ゲーム紹介のページの記載だけでは解りにくい用語については、専用のページを設けて説明を掲載しています。
参考資料
*1:Texas hold’em (Feb. 13, 2024, 11:15 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Texas_hold_%27em
*2:ポーカー侍. 2010. 『ポーカー教室 – ポーカーの三大ゲーム、ホールデム、7カードスタッド、オハマを学ぼう!』, パンローリング株式会社
*3:当サイト(ギャンブルアカデミー)調べ
最終更新日:2024年10月30日