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プレイヤー対戦型テキサス ホールデム
テキサス ホールデムは、現在、最も人気のあるポーカーの1つです。2000年代に入り、アメリカのテレビや映画で取り上げられたことで、急速に広まり、人気が高まりました。*1
大規模なトーナメントも開催されるようになり、人気はアメリカだけに留まらず、世界中へと広がっています。
プレイヤー対戦型のテキサス ホールデムが他のテーブルゲームと大きく異なるのは、参加して楽しむだけでなく、観戦して楽しむことでも人気がある点です。テレビやインターネット配信の観点からみると、スポーツの1つとみなされています。
本ページで説明するゲームの概要は、次の表のとおりです。
ゲーム分類 | テーブルゲーム・ポーカー |
ゲーム名 | テキサスホールデム(Texas Hold’em) |
ポーカーゲームのバリエーション体系 | コミュニティ カード ポーカー系(ホールデム系) |
ゲームの対戦形態 | プレイヤー同士の対戦 |
対戦における駆引き(心理的要素) | たっぷり |
説明のベースとなるゲームのルール | Wikipediaに記載されている一般的なルール *1 |
目次
- Ⅰ.
- 道具とプレイヤー
- 1.
- テーブル レイアウト
- 2.
- ゲームの参加者、参加人数
- 3.
- プレイヤーのポジション(座席位置)
- 4.
- ボタンの位置決め
- 5.
- カードとチップ
- Ⅱ.
- 賭け金の種類
- Ⅲ.
- プレイヤーの目的とプレイスタイル
- 1.
- ゲームの勝敗と配当
- 2.
- プレイヤーの目的
- 3.
- 大別される4つのプレイスタイル
- Ⅳ.
- ゲームの進行
- 1.
- ゲームの流れ
- 2.
- ホール カードの配布
- 3.
- ベッティング ラウンドの開始から終了まで
- 4.
- ホール カードの公開(ショーダウン)
- Ⅴ.
- 参考資料
道具とプレイヤー
テーブル レイアウト
一般的には、角が丸くなった長方形のテーブルが用いられます。ゲームに参加するプレイヤーは、このテーブルの周りを囲むように座ります。
プレイヤー対戦型テキサス ホールデムのテーブル レイアウトには、これといって決まったものはありません。
テーブルに "このライン、この文字が描かれていないとゲームができない" というものもありません。極端な話、何も描かれていないテーブルであっても構いません。
それが理由なのでしょうか、バカラやブラックジャックなどの他のテーブルゲームと比較すると、非常にあっさりとしたレイアウトのテーブルが多いです。
テーブルの形状も、イラストのような角丸長方形が多いですが、円形のテーブルもあります。
以下に、テーブル レイアウトに関連した用語を記載しました。
スタック(stack)
プレイヤーごとの手持ちのチップ。なお、手元の資金という意味で、バンクロール(bankroll)という語も使われます。
ポット(pot)
プレイヤーが賭けたチップを、まとめたもの。または、そのチップの置き場所
バーン カード(burn card)
降りた(フォールドした)プレイヤーのカードや、不正防止のためにあえて使用しなかった捨てカードなどの不要となったカード
ゲームの参加者、参加人数
一般的に、2人以上、最大10人のプレイヤーでゲームが行われます。
カジノによっては、テーブルの人数に独自の制限が設けられています。また、トーナメントでは、トーナメントのレギュレーション(規則)により、テーブルに参加するプレイヤーの人数が決められています。
カードを配ったり、チップを集めるというようなゲーム進行の役割は、他のテーブル ゲームと同様に、ディーラーが行います。ディーラーは、あくまでもゲーム進行のお世話をするだけで、ゲームには参加しません。
ディーラーがいない状況では、ある座席位置のプレイヤーが、カードを配ります。
プレイヤーのポジション(座席位置)
プレイヤーの座席位置は、戦略を考える上で、非常に重要な要素の1つです。
座席位置には、有利な位置と、不利な位置があります。つまり、ホール カードが配られる前に、座っている場所で、すでに有利、不利が発生していることになります。
テキサス ホールデムをマスターするには座席位置についてしっかりと理解する必要がありますが、座席位置にはいろいろな名称が付けられており、最初は名称を覚えるのもひと苦労です。
ここでは、10人のプレイヤーが参加するテーブルを例に、座席位置の名称と基本を確認します。
● 基準位置を示すディーラー ボタン
プレイヤーは、テーブルを囲むように座ります。
ホールカードの配布や、ベッティング ラウンドのアクションは、時計回りに順番に行います。ゲームを進行させるにはどのプレイヤーから始めるのか、開始位置が明確になっていなければいけません。
その開始位置がどこであるのかを明確にわかるようにするのが、ディーラー ボタン(dealer button)という道具です。
一般的に、ディーラー ボタンは円盤状で、チップと似たような形、大きさです。
このディーラー ボタンの置かれた位置は、最後にアクションを行うプレイヤーの座席位置を示します。ゲームは時計回りに順番に進行するので、最初にアクションを行うプレイヤーは、ボタンの左側の席のプレイヤーとなります。
次のイラストの例では、高橋さんにディーラーボタンが置かれていますので、田中さんが最初にアクションを行うプレイヤーです。
ディーラー ボタンは、ゲーム進行の世話係であるディーラーと混同しやすい名称のため、通常「ディーラー」を省略して、単に「ボタン」と呼ばれます。
● アーリー ポジション
プレイヤーの座席の中で、比較的最初にアクションを行う位置を、アーリー ポジション(early position)といいます。
例えば、イラストのように10人のプレイヤーが参加しているときは、ボタンの左側3人、田中さん、伊藤さん、渡辺さんの位置がアーリー ポジションとなります。
アーリー ポジションは、他のプレイヤーの情報が得られない状況の中でアクションの判断を行わなければならず、以降に説明するミドル ポジション、レイト ポジションと比較すると不利なポジションとされています。
アーリー ポジションの中でもボタンのすぐ左側の田中さんの位置は、スモール ブラインド ポジション(small blind position)またはスモール ブラインド(small blind)といいます。
スモール ブラインド ポジションの左側の伊藤さんの位置は、ビッグ ブラインド ポジション(big blind position)またはビッグ ブライント(big blind)といいます。
ビッグ ブラインド ポジションの左側の渡辺さんの位置は、アンダー ザ ガン(under the gun)といいます。
テレビやSNS動画配信などの画面では、スモール ブラインド(ポジション)は「SB」 と、ビッグ ブラインド(ポジション)は「BB」と略して表示されています。また、アンダー ザ ガンは、「UTG」または「UG」と略してされています。
● レイト ポジション
プレイヤーの座席の中で、比較的最後のほうでアクションを行う位置を、レイト ポジション(late position)といいます。
レイト ポジションのプレイヤーは、他のポジションのプレイヤーのアクション、表情などを確認した後、自分自身のアクションを行うことができるため、有利なポジションとされています。
レイト ポジションの中で、ボタンが置かれた位置を、ボタン(button)といいます。
また、ボタンの右側の座席位置をカット オフ(cut off)、カット オフの右側の位置をハイ ジャック(high jack)といいます。
テレビやSNS動画配信などの画面では、ボタンは「BTN」と略して表示されています。また、カット オフは「CUT」または「CO」と、ハイ ジャックは「HJ」と略して表示されています。
● ミドル ポジション
アーリー ポジションとレイト ポジションの間の座席位置を、ミドル ポジション(middle positon)といいます。
例えば、イラストのように10人のプレイヤーが参加しているときは、山本さん、中村さん、小林さん、加藤さんの4人がミドルポジションとなります。
このアーリー ポジション、ミドル ポジション、レイト ポジションという3つの区分けは、戦略を語ったり、ゲーム進行を振り返ったりするときによく用いられますが、ルールで明確に決まっているものありません。
そのため、テキサス ホールデムの解説サイトや解説書によっては、異なる説明が行われている場合があります。
例えば、ボジションの区分けの数を3つではなく、 スモール ブラインドとビック ブラインドの位置をアーリー ブラインドから除外してブラインド ポジション(blind position)とし、4つの区分として説明しているサイトや書籍もあります。*2
※ アーリー ポジション、レイト ポジション、ミドル ポジションは、テキサス ホールデムだけでなく、他のポーカー ゲームでも共通に使用される用語です。一方、ブラインド ポジションは、ブラインド ベットが採用されているゲームにおいてのみ使用される用語です。
また、ミドル ポジションの各座席の名称は、解説サイトや書籍によってかなり異なっており、興味深いものがあります。
この違いは、解説を書かれている方が主にゲームされているカジノや地域における呼び名の違いにより生じたものと推測されます。
なお、本ページでは、プレイヤーの数を10人として説明していますが、人数が少ないときは、場所と名称の割り当てが異なってきます。
この割り当ても、解説サイトや書籍によって違いがあります。*3
ボタンの位置決め
テキサスホールデムでは、ゲームの開始に先立って、ボタンの位置決めを行います。
テキサス ホールデムにおいて、座席位置が勝敗に重要な影響を与えることは、先に述べたとおりです。
そのため、座席位置の基準となるボタンの位置も、参加するプレイヤーが納得できるような公平な方法で決められます。
位置決めは、各プレイヤーに1枚のカードを配り、そのカードを比較して行います。*4 *5
次のイラストのような10名が参加するテーブルでは、ディーラーは、ディーラーの左側に座っている加藤さんから時計回りで、佐藤さん、鈴木さん、…、小林さんの順番でカードを配ります。
配られたカードの中で、最もランクの高い(強い)数字のカードが配られたプレイヤーが、最初のゲームのボタンとなります。
カードの数字のランクの高さ(強さ)/低さ(弱さ)は、次のイラストのとおりで、ポーカーの役の比較を行うときと同じです。
例えば、イラストのようにカードが配られたときは、♥のが配られた中村さんの位置が、最初のゲームのボタンとなります。
ボタンの位置は、ゲームごとに1つずつ左へ移動します。2ゲーム目は中村さんの左側の小林さんの位置が、3ゲーム目はもうひとつ左側の加藤さんの位置がボタンとなります。
なお、位置決めのために配られたカードで、最も高い(強い)ランクのカードが複数枚あったときは、カードのスーツ(マーク)を比較します。
スーツは、♠のランクが最も高く(強く)、続いて、♥、♦の順に高く(強く)、♣が最も低い(弱い)ランクです。
ポーカーの役の比較では、スーツ(マーク)の違いは意味がなく、同じ高さ(強さ)となります。このスーツ(マーク)にランクが存在することが、ボタンの位置決めと役の比較で大きく異なる点です。
カードとチップ

テキサス ホールデムをプレイするには、先述したディーラー ボタン以外に、カードとチップが必要です。
1つのゲームで使用するカードは、1デッキ、52枚です。
賭け金の種類
強制的な賭け「ブラインド」
プレイヤーは、4つのベッティングラウンドで賭けを行います。
ブラインド(blind)は、4つのベッティングラウンドの中で最初に行われるプリ フロップのベッティング ラウンドにおいて、スモール ブラインドとビッグ ブラインドのプレイヤーが最初に必ず行わなければならない賭けです。
ブラインドで賭けるチップの額は、テーブルごとに、ミニマム ベットとして決められています。
ブラインドの賭けは、最初にボタンの左側のスモール ブラインドのプレイヤーが行います。続けて、その左隣のビッグ ブラインドが賭けを行います。
例えば、テーブルのミニマム ベットが$100の場合、まずスモール ブラインドがミニマムベットの半分の$50を賭けます。次に、ビッグ ブラインドがミニマム ベットと同額の$100を賭けます。
ブラインドは、ルールで決めらている強制的な賭けであり、プレイヤーの判断で自由に金額を変えたり、賭けをスキップして次のプレイヤーのアクションへとゲームを進めることはできません。
ゲームの参加料「アンティ」
ゲームによっては、"参加料" という言葉がしっくりとくる強制的な賭け「アンティ」が設定されています。
アンティが設定されているゲームでは、ゲームが開始され、カードが配られる前に、すべてのプレイヤーが同額をポットに入れることが求められます。
一般的に、アンティの金額は、ゲームでベット/レイズする金額と比較すると、それほど大きな金額ではありません。
用語「アンティ」のページでは、アンティが設定されることによる影響などの説明を掲載していますしています。
プレイヤーの判断での賭け「ベット」、「レイズ」、「コール」
プレイヤーは、ゲームの中で随時状況を判断して、プレイヤーの意思で、チップを賭けるか、ゲームを降りるかの選択を行うことができます。この判断の結果としてプレイヤーが行う行為を、アクション(action)といいます。
プレイヤーによるアクションの選択は、ベッティング ラウンドの中で、そのプレイヤーにアクションの順番が回ってきたタイミングで行います。
※ ベッティング ラウンドについては、テキサス ホールデムの共通ページの「ベッティング ラウンド」を参照してください。
チップを賭けるアクションは、賭けるタイミングと、賭ける額の違いにより、ベット(bet)、レイズ(raise)、コール(call)の3種類に分けられます。
ベット(bet)
ベッティング ラウンドにおける最初の賭けを、ベットといいます。
レイズ(raise)
ベッティング ラウンドの賭け金の金額を増やす賭けを、レイズといいます。
手元のチップをすべて賭けるレイズを、特にオール イン(all-in)といいます。
コール(call)
直前のベットまたはレイズと同じ額を賭けることを、コールといいます。
※ チップを賭けずにゲームを降りるアクションは、フォールド(fold)といいます。
「レイズ」、「コール」のリンクをクリックすると、詳しい説明を見ることができます。
ベット、レイズ額に関する3種類のゲームバリエーション
ベット、レイズ額に、制限が設定されているケースがあります。ベット、レイズ額に関する一般的なゲーム バリエーションには、次の3種類があります。
1. リミット ホールデム(limit hold’em)
最初の2つのベッティング ラウンド(プリフロップとフロップ)のベットとレイズの額は、ビッグ ブラインドと同じでなければないけません。この額を、スモール ベット(small bet)といいます。
続く後半の2つのベッティング ラウンド(ターンとリバー)のベットとレイズの額は、ビッグ ブラインドの2倍でなければいけません。この額を、ビッグ ベット(big bet)といいます。
2. ノー リミット ホールデム(no-limit hold’em)
ノー リミット ホールデムでは、ベット、レイズする額に上限がありません。ただし、プレイヤーの手元にある金額以上を賭けることはできないので、上限は手元のチップの総額となります。
最小のレイズ額には制限があり、少なくとも直前のベット、レイズ額を賭けなければいけません。
3. ポット リミット ホールデム(pot-limit hold’em)
ポット リミット ホールデムは、レイズするときのベット額がその時点のポットの総額に制限されます。
※ 「レイズするときのベット額」は、「コールに必要な額」と「レイズ額」の合計を表しています。
プレイヤーの目的とプレイスタイル
ゲームの勝敗と配当
1回のゲームにおいて、勝者は、次の2つのいずれかのパターンで決まります。
● 他のプレイヤーがすべて降りて、ゲームに参加するプレイヤーが1名のみとなったとき
最後まで残ったプレイヤーの勝ちとなります。
ポットのチップは、勝ったプレイヤーの総取りとなります。
この勝負の決まり方では、勝負が決するプロセスの中で、ハンドの優劣の比較は行われません。
つまり、相手に対して強いハンドを持っていると認識させ、フォールドさせることがポイントです。実際にランクの高い(強い)ハンドを持っているか否かは、関係ありません。
逆に、ランクの高い(強い)ハンドを持っていたとしても、相手に強いと認識させることができなければ、この勝ち方はできません。
● 最後まで複数のプレイヤーが降りずに残っていたとき
最後まで降りずに残ったプレイヤーが複数名いる場合は、残ったプレイヤーのハンドを比較して勝者を決めます。
ハンドの比較の結果、最もランクの高い(強い)ハンドを持っていたプレイヤーが勝者となります。
ハンドの優劣の判定方法については、ポーカー共通ページの「勝敗判定の流れ」を参照してください。
降りずに残ったプレイヤーが2名のときは、勝ったプレイヤーがポットのチップを総取りします。ハンドの比較で負けたプレイヤーは、フォールドしたプレイヤーと同様に、まったくチップを受け取ることができません。
なお、プレイヤーのハンドのランクの高さ(強さ)が同じであった場合、ポットのチップは、2人のプレイヤーで山分けとなります。
降りずに残ったプレイヤーが3名以上で、3名とも賭けたチップが同じときは、基本的に2名のときと同じです。最もランクの高い(強い)ハンドのプレイヤーが、ポットのチップを総取りします。最もランクの高い(強い)ハンドのプレイヤーが複数名のときは、そのプレイヤーで山分けとなります。
降りずに残ったプレイヤーが3名以上で、かつ、オール インが行われたことによりプレイヤーの賭けたチップが異なるときは、勝者の判定とチップの配分が少々複雑になります。詳細については、用語「オール イン(all-in)」のページ(準備中)を参照してください。
プレイヤーの目的
手元に残ったチップがそのまま獲得賞金となる形態のギャッシュ ゲーム(cash game)では、ゲームに参加するプレイヤーの目的は、最終的たくさんのチップを獲得することです。多くのゲームで勝つことが目的ではありません。
例えば、何回かのゲームのうち、たった1回しか勝てなかったとしても、その1勝が大量のチップを獲得できるような大勝で、ゲームに参加する前よりもチップを大幅に増やすことができれば、目的を達成できたことになります。
この「最終的にたくさんのチップを獲得する」というゲームの目的は、麻雀に似ています。
一方、ゲームの実施結果の順位によって賞金が決まる形態のトーナメント(tournament)では、より上の順位になることを目的とします。そのためには、たくさんのチップを獲得することに加えて、他のプレイヤーのスタックのチップをゼロにして、プレイヤーを大会から退場させることを目指してプレーます。
大別される4つのプレイスタイル
プレイヤーは、チップを増やす、他のプレイヤーを大会より退場させるという目的を達成するために、いろいろな工夫を凝らします。そのプレイヤーの工夫の違いが、プレイスタイルになって現れます。
プレイヤーのプレイスタイルをチェックするときに、まず考えるべきポイントは、攻撃性の違いと、勝負への参加頻度の違いです。
● 攻撃性の違い:攻撃的なプレイと、受動的なプレイ
プレイヤーが判断して実行するプレイ(アクション)は、攻撃的なプレイ(アグレッシブ プレイ:aggressive play)と、受動的なプレイ(パッシブ プレイ:passive play)に分けられます。*7
プレイ(アクション)の攻撃性 | プレイ(アクション) |
非常に攻撃的(very aggressive) | チェック レイズ(check-raise) |
攻撃的(aggressive) | ベット(bet)†、レイズ(raise) |
受動的(passive) | コール(call)、チェック(check) |
†:ベッティング ラウンドにおける最初の賭け |
攻撃的なプレイの中でも、チェック レイズ(check-raise)は、非常に攻撃的なプレイに位置づけられます。
一般的に、攻撃的なプレイは、よりランクの高い(強い)ハンドのプレイヤーをフォールドさせることがあるため、受動的なプレイよりも収益率が高いといわれています。
しかしながら、攻撃的なプレイの方が収益性が高いからといって攻撃的なプレイを続けていると、そのプレイスタイルが読まれてしまうため、いつも攻撃的なアクションを取り続けることはできません。
また、受動的なプレイヤーがベット、レイズしたときは、本当に強いハンドだと見抜かれて、フォールドされてしまいます。
このように、相手のプレイヤーに攻撃性の傾向が理解されてしまうと、アクション選択の難しさが増してしまいます。
● 勝負への参加頻度の違い:"ガツガツ"プレイと、"ゆるゆる"プレイ
プレイヤーのプレイスタイルを考えるときのもう1つのポイントは、勝負への参加頻度の違いです。
勝負の参加頻度でプレイヤーを分類すると、タイト プレイヤー(tight player)とルーズ プレイヤー(loose player)に分類されます。
プレイヤーの分類 | 勝負への参加頻度 | 特徴 |
タイト プレイヤー (tight player) |
多い | 多少勝つ可能性の低いハンドであっても、積極的に勝負する。 |
ルーズ プレイヤー (loose player) |
少ない | 勝つ可能性の高いハンドでのみ勝負する。 |
タイト プレイヤー(tight player)は、多少勝つ可能性の低いハンドであっても積極的に勝負するプレイヤーで、前のめりで”ガツガツ”プレイするタイプということができます。タイト プレイヤーは、攻撃的なプレイ(アグレッシブ プレイ)を好む傾向があります。
逆に、ルーズ プレイヤー(loose player)は、勝つ可能性の高いハンドでのみ勝負するプレイヤーで、強いハンドがくるのを辛抱強く待つプレイヤーです。受動的なプレイ(ポッシブ プレイ)で”ゆるゆる”とゲームに参加する傾向があります。
プレイヤーの攻撃性の違いと勝負への参加頻度の違いを組み合わせると、プレイスタイルは、次のイラストに示すⅠからⅣの4つに分類されます。
攻撃的で、勝負への参加頻度が高いプレイヤーは、最も激熱なプレイヤーで、そのプレイスタイルをタイト アグレッシブ(tight aggressive)といいます。
反対に、受動的で、勝負への参加頻度が低いプレイヤーのプレイスタイルを、タイト アグレッシブ(loose passive)といいます。
誤解しないでいただきたいのは、"タイト アグレッシブに分類されるプレイヤーは、攻撃的なプレイをしない" ということではありません。
どのプレイスタイルに分類されるプレイヤーであっても、配られたハンドが勝つ可能性の高い強いハンドのときは、アグレッシブでプレイすることになります。
ゲームの進行
ゲームの流れ
ゲーム進行は、カードの配布とコミュニティー カードの公開、および、そのカード配布とカード公開の間で行われるベッティング ラウンドで構成されています。
ゲーム進行の順番は、次のとおりです。
カードの配布とコミュニティー カードの公開とベッティング ラウンドの基本については、 テキサス ホールデムの共通ページの「コミュニティ カードの名称と公開順序」および「ベッティング ラウンド」に掲載しています。
基本的な事項について確認されたい方は、まず、テキサス ホールデムの共通ページをご覧ください。
ホール カードの配布
ゲームが始まると、各プレイヤーに対して、裏向きに2枚のカードが2配られます。このカードを、ホール カード(hole card)といいます。
ホール カードは、スモール ブラインドのプレーヤーに最初に配られます。その後、時計まわりに順番に配られ、最後にボタンの位置のプレイヤーに配られます。
ホール カードを ポケット カード(pocket card)ともいいます。また、2枚のホール カードが同じ数字でペアとなっていることを、ポケット ペア(pocket ぱpair)といいます。
ベッティング ラウンドの開始から終了まで
● ベッティングラウンドの開始
4つのベッティングラウンドのうち、最初に行われるプリ フロップのベッティング ラウンドは、ブラインドの賭けより始まります。
ブラインドの賭けが行われた後は、ビッグ ブラインドの左側に位置するアンダー ザ ガンのプレイヤーより、時計りにアクションを行います。
フロップおよび以降の3つのベッティング ラウンドは、アクティブな(降りていない)プレイヤーの中で最もディーラー ボタンの左側のプレイヤーよりアクションを開始します。
● アクションの実行
アクションの順番がまわってきたプレイヤーが、ホール カード、先に行われたアクション、対戦相手の表情など、たくさんの情報を基に、実行するアクションを決定します。
ベッティングラウンドの最初のプレイヤーが選択できるアクションは、賭けを行わない "チェック"、または、最初の賭け "ベット"です。この最初の賭け”ベット”を行うことを、"オープン(open)する"といいます。
※ ストラドル(straddle)については、説明のページを準備中です。
以降のプレイヤーは、最初の賭けベットが行われていない状態のときは、最初のプレイヤーと同様に、チェックまたはベットを選択できます。
※ プリ フロップのラウンドでブラインドの賭けが行われた状態は、オープンの状態です。
最初の賭けが行われているオープンな状態ときは、ゲームを降りる"フォールド"、これまでの最高の賭金と同額を賭ける"コール"、または、賭金を増額する"レイズ"を選択できます。
プレイヤーは、選択アクションを、口頭の宣言、または、アクションの種類ごとに定められているジェスチャーで意思表示します。
いったん宣言したアクションは、取り消すことができません。これは、宣言により他のプレイヤーの反応を確認した上で、アクションを変更することを禁止するためです。
● ベッティングラウンドの終了
ベッティング ラウンドは、次の3つのいずれかとなったときに終了します。
- アクティブなプレイヤーの賭金がすべて同額となったとき
- 他のすべてのプレイヤーがフォールドし、アクティブなプレイヤーがひとりになったとき
- オールインが行われ、他のプレイヤーが勝負に応じたとき(説明のページを準備中です。)
⇒ ゲーム進行の次のステップに移行します。
降りずに残ったプレイヤーの勝ちとなります。以降のカード公開やベッティング ラウンドは行われず、すぐに清算が行われます。
オールインが行われて他のプレイヤーが勝負に応じたときは、そのベッティング ラウンドは終了となります。加えて、プリ フロップ、フロップまたはターンのベッティング ラウンドのときは、以降のベッティング ラウンドは行われません。
未公開のコミュニティ カードがある場合は、コミュニティ カードが公開されます。
続けて、ゲーム進行の最終ステップであるホール カードの公開、勝敗の判定、精算が行われます。
ベッティング ラウンドは、上記3つのいずれかの状態となるまで、何週でもまわります。
ホール カードの公開(ショーダウン)
複数のプレイヤーが残っている状況で、勝者であることを確定させてポットのチップを得るには、必ず、手札をテーブル上に公開しなければいけません。
このプレイヤーが勝敗を判断するためにハンドを公開することを、ショーダウン(showdown)といいます。
相手のプレイヤーが先に手札を公開したことにより、負けたことが判ってしまったプレイヤーは、手札を公開しなくても構いません。
プレイヤーの立場で考えると、手札を公開することによりプレイヤーの戦略やプレイースタイルなどの情報を与えてしまうため、プレイヤーは他のプレイヤーよりも公開を遅らせたいと考える傾向があります。そのため、プレイヤーが手札の公開をためらい、なかなか手札を公開しないと、ゲームの進行がスローになってしまいます。
しがたって、勝つ可能性の高いハンドを持っているプレイヤーは、マナーとして、できるだけすみやかに手札を公開することが求められます。
※ オールインが行われ、サイド ポットがある場合の手札の公開については、オールインのページ(準備中)を参照してください。
参考資料
*1:Texas hold’em (Feb. 13, 2024, 11:15 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Texas_hold_%27em
*2:「ポーカー ポジションの基礎基本」『ぱるぷんてポーカー』。2024年4月10日 (水) 12:00 JST 参照、URL:https://pulpunte.com/poker/position/
*3:「ポーカーのポジションについて」『ギャンなび!』。2024年4月10日 (水) 12:00 JST 参照、URL:https://www.gam-navi.com/poker-position/
*4:「ボタンの位置の決め方」『m』。2024年4月10日 (水) 12:00 JST 参照、URL:https://mpj-portal.jp/forbeginners/rule-manners-button/
*5:ポーカー侍. 2010. 『ポーカー教室 – ポーカーの三大ゲーム、ホールデム、7カードスタッド、オハマを学ぼう!』, パンローリング株式会社
*6:Betting in poker (Feb. 2, 2024, 13:25 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Betting_in_poker
*7:Aggression (poker) (May 11, 2024, 14:38 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Aggression_(poker)
最終更新日:2024年08月08日
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