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ポンツーン
ポンツーンは、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなどのカジノでプレイできるブラックジャックそっくりのカードゲームです。
まず、ポンツーンとブラックジャックは、テーブルやプレイしている状況など、見た目がそっくりです。テーブル上の記載や表示板をよく見ていないと、参加するテーブルを間違えてしまうくらいに似ています。
さらに、ポンツーンもブラックジャックも、プレイヤーとディーラーが対戦し、お互いのカードの合計を21に近づけるという根幹となるルールは同じです。
しかし、細部のルールがいろいろ異なります。
ポンツーンのルールは、ブラックジャックのルールと比較すると、ディーラーに有利な部分もあるものの、総じてプレイヤーに有利なルールのように思えます。
それにもかかわらず、ポンツーンにブラックジャックの戦略を適用してプレイすると、じりじりとチップを減らすことが多く、最終的にチップを増やしてゲームを終えることがなかなかできません。
当サイトで調査、研究を行ったところ、2つのゲームの細かなルールの違いが、プレイヤーが取るべき戦略に大きな影響を与えていることが判りました。
ポンツーンはブラックジャックとそっくりのゲームであるのに、ポンツーンの戦略はブラックジャックの戦略とは大きく異なります。ポンツーンに対してブラックジャックの戦略を適用しても勝つことは困難です。
このページおよび関連ページには、当サイトが調べたことを余すことなく盛り込みました。お読みいただけると、ポンツーンのゲームの奥深さに気づいていただけることと思います。
本ページをお読みいただき、ポンツーンの理解を深めて、ポンツーンをゲームレパートリーに追加していただけると嬉しいです。
注意事項
● 本ページは、ブラックジャック上級者向けに記載されています。
本ページでは、ルール、戦略などを、ブラックジャックと比較しながら説明しています。
ブラックジャックのルール、戦略を理解されていない方は、先にブラックジャックのページをお読みいただくことをお勧めします。
● ポンツーンのルールは、地域、カジノで大きく異なります。
本ページでは、シンガポールのMarina Bay Sands Casinoのルールを基に説明しています。*1
目次
- Ⅰ.
- ポンツーンのルール
- 1.
- ゲームの参加者とゲームの進行
- 2.
- ゲームの道具
- 3.
- カードの数の数え方
- 4.
- Aと絵札の特別なハンド「ポンツーン」
- 5.
- 勝敗の判定
- 6.
- プレイヤーの判断の選択肢
- 7.
- ブラックジャックとは衝撃的に異なるダブルダウンのルール
- 8.
- サレンダーのルールにも違い
- 9.
- インシュアランスにはゲームの流れで若干の違いが発生
- Ⅱ.
- 配当
- Ⅲ.
- ポンツーンとブラックジャックの違いのまとめ
- Ⅳ.
- ポンツーンの基本戦略
- 1.
- 1つのゲームにおける基本戦略
- 特集
- ルールの違いが戦略に与える影響
- 特集
- ポンツーンの戦略テーブル
- 2.
- 過去の結果、傾向からの予測戦略
- Ⅴ.
- 参考資料
ポンツーンのルール
ここでは、ポンツーンのルールを、ブラックジャックのルールと比較しながら、詳細に確認します。
ゲームの参加者とゲームの進行
● ゲームの参加者
ポンツーンのゲームの参加者は、ディーラーとプレイヤーです。ディーラーはゲームの進行役を務めます。
ポンツーンのゲームでは、ディーラーとプレイヤーが対戦し、プレイヤー同士は対戦しません。この点は、ブラックジャックと同じです。
1つのテーブルに座るプレイヤーは、カジノやテーブルによって異なりますが、5名から8名程度の場合がほとんどです。
いずれにしても、テーブルに座るプレイヤーの人数はポンツーンのルールとは関係なく、ルールを理解する上でゲームに参加するプレイヤーの数を気にする必要はありません。
● ゲームの進行
ポンツーンでは、ゲームが始まると、プレイヤーとディーラーに2枚のカードが配られます。
プレイヤーのカードは2枚とも数字が見えるように表向きに、ディーラーのカードは1枚のみ表向きに配られます。
ディーラーには、1枚のみカードを配るカジノもあります。
最初のカードを配り終えると、状況に応じてサレンダーやインシュアランスの意思確認が行われ、、プレイヤーが3枚目以降のカードを引くかの 確認と続きます。
このようなゲーム進行は、ブラックジャックとまったく同じです。
このページでは詳細なゲームの流れの説明は省略しますが、ディーラーがカードを引き、勝敗の判定と清算が行われるその後の流れも、ブラックジャックと同じです。詳細については、ブラックジャックのゲームの進行のページを参照してください。
ゲームの道具
ゲームの道具には、1点、ブラックジャックとの大きな違いがあります。その違いはカードにあります。
● カード
トランプのカードのひと組をデッキ(deck)といいますが、1つのデッキは、通常から
までの13枚のカードが♠♦♣♥のそれぞれ4種類、合計52枚で構成されています。
ブラックジャックではこの52枚のカードをそのまま使いますが、ポンツーンでは4枚ののカードを取り除き、48枚を1つのデッキとして使用します。
こののカードが取り除かれていることが、ポンツーンの戦略にに大きな影響を与えます。ブラックジャックの戦略と違いが生じる大きな原因との1つです。
● テーブル
道具としてのテーブルはブラックジャックと違いはありません。テーブルにはいくつかのルールが書かれていますので、テーブルを見ることでおおまかなルールを把握することができます。
次のイラストは、一般的なポンツーンのテーブルを表現したものです。
テーブルにより書かれているルールの範囲や説明の表現は異なりますが、一般的に、ポンツーンのときの払戻し倍率、ディーラーがカードを引く規則、インシュアランスの倍率が書かれています。
カジノでブラックジャックとポンツーンの両方がプレイできるとき、このテーブルに書かれているルールの中で、ディーラーがカードを引く規則がポンツーンとブラックジャックでは異なっている可能性があります。
具体的には、を含み
を1または11とカウントできる状態の手札をソフトハンド(soft-hand)と呼び、ソフトハンドの中でも
と他のカード
の合計が6の手札をソフトセブンティーン(以降、ソフト17と略記)と呼びますが、そのソフト17のときの規則に注意が必要です。
次のイラストは、ディーラーがソフト17のハンドの一例です。
ブラックジャックでは、カジノまたはテーブルにより、ディーラーがソフト17で追加のカードを引くか引かないかのルールが異なります。
このイラストの状態のとき、ディーラーがソフト17で追加のカードを引くルールの場合は、ディーラーは3枚目のカードを引きます。一方、追加のカードを引かないルールの場合、上記イラストの例では、追加のカードは引かれず、ゲームの進行は勝敗の判断と賭けたチップの清算へと進みます。
ポンツーンでは、ディーラーがソフト17ときに必ず追加のカードを引く規則が採用されています。
ディーラーがソフト17で追加のカードを引くルールは、ディーラーが勝利する確率を高めるものであり、このルールだけを見るとプレイヤーにとって厳しいルールが採用されているということができます。
カードの数の数え方
ポンツーンのカードの数の数え方は、基本的にブラックジャックと同じです。
から
のカードは、その数字のままカウントします。例えば、
と
のハンドは、8+9で合計17となります。
の3種類の絵札のカードは、どの種類のカードも10と数えます。
と
のハンドは、合計20となります。
のカードは、1または11とカウントします。
と
のハンドは、8または18とカウントします。
ここまでのカードの数え方は、ブラックジャクとまったく同じです。異なる点は、ソフトハンドでダブルダウン(またはダブル※)を行ったときのの数え方です。
※ 「ダブルダウン」と「ダブル」は、異なるルールです。カジノによって、どちらかのルールが採用されています。本ページで説明を行っているシンガポールのMarina Bay Sands Casinoでは、ダブルダウンが採用されています。ダブルのルールは別ページにて説明します。
ブラックジャックの場合、を1または11のいずれかとして、プレイヤーの都合の良いようにカウントすることができます。次のようなハンドでは、
を11とカウントして、合計21となります。
ところが、ポンツーンでは、ソフトハンドのダブルダウンでは、を必ず1と数えなければいけません。そのため、ブラックジャックでは合計21となった上記のハンドは、ポンツーンではたったの合計11となります。
Aと絵札の特別なハンド「ポンツーン」
ポンツーンにおいて、と絵札の組合せのハンドは、ポンツーンと呼ばれる特別なハンドです。ブラックジャックにおいて、
と絵札または
の組合せのハンドをブラックジャックと呼ぶのと同じです。
このイラストの例は、プレイヤーのと絵札のハンドですが、ディーラーの
と絵札のハンドもポンツーンといいます。
なお、一部のカジノでは、と絵札の組合せをポンツーンとは言わないで、ナチュラル(natural)と呼びます。
勝敗の判定
ポンツーンとブラックジャックの間には、勝敗の判定にも違いがあります。
ポンツーンの勝敗は、プレイヤーの手札の合計とディーラーの手札の合計を比較して判定します。合計大きい方が勝ち、小さい方が負け、同じならば引分けとなるのは、ブラックジャックと同じです。
プレイヤーがバーストしたとき、つまり合計が22以上となったとき、ディーラーの手札の合計にかかわらずプレイヤーが負けとなる点もブラックジャックと同じです。
ポンツーンの勝敗の判定がブラックジャックと異なるのは、プレイヤーのハンドの合計が21となったときに、ディーラーがカードを引くのを待たずに、プレイヤーの勝ちとなる点です。
このイラストの例では、プレイヤーが3枚目のカードを引き、プレイヤーのカードの合計が21となりました。
この3枚目のカードを引いて合計が21となった瞬間にプレイヤーの勝ちが確定し、即、プレイヤーに対して勝ち分の払戻しが行われます。
このプレイヤーのカードの合計が21となったときにプレイヤーの勝ちとなるルールは、プレイヤーのハンドがポンツーンの場合にも適用されます。
このケースでは、プレイヤーに2枚のカードが配られたときにプレイヤーの勝ちが確定します。ディーラーのオープンカード※が何のカードであるかは関係ありません。
※ オープンカード:表向きに配られた数字の見えるカード
したがって、ポンツーンでは、プラックジャックに設定されているイーブンマネーのルールはありません。
この合計21またはポンツーンとなったときにプレイヤーの勝ちが確定するルールは、プレイヤーがヒットを選択するかステイ/スタンドを選択するかという戦略判断に大きな影響を与えます。
それだけではありません。ダブルダウンを選択するか、スプリットを選択するかという戦略判断にも影響を与えます。
プレイヤーの判断の選択肢
ポンツーンにおけるプレイヤーの判断の選択肢は、ヒット、スタンド(ステイ)、ダブルダウン、スプリット、サレンダーおよびインシュアランスです。
選択肢 | 説明 |
ヒット | 追加のカードを要求します。 |
スタンド(ステイ) | 追加のカードを要求しません。 |
ダブルダウン | 追加のカードを1枚のみ引くことを宣言し、賭けるチップを最大2倍まで増やします。 |
スプリット | 配られた2枚のカードが同じ数字のときに、ハンドを2つに分割します。 |
サレンダー | 賭けるチップの半分を放棄し、ゲームを終了します。 |
インシュアランス | ディーラーの結果がポンツーンであることに賭けます。 |
選択肢は基本的にブラックジャックと同じですが、先にご説明したとおり、イーブンマネーはありません。
プレイヤーからディーラーへの意思表示のジェスチャーは、ブラックジャックと同じです。
ブラックジャックとは衝撃的に異なるダブルダウンのルール
ダブルダウンのルールは、ポンツーンとブラックジャックで衝撃的に異なります。驚いてください。
● ダブルダウンをなかったことにできる
ブラックジャックのダブルダウンは、追加のカードを1枚のみ引くことを条件に、賭けるチップを最大2倍に増やすことができます。追加のカードを引き終わった後は、たとえ引いたカードが気に入らなくても、何もすることはできません。
具体的な例として、次のイラストを見てください。
プレイヤーは、最初の2枚のカードが配られた時点でチャンスとみてダブルダウンを宣言しましたが、3枚目に配られたカードは期待する絵札ではなく、でした。合計12です。チャンスが一転して大ピンチです。
ブラックジャックでは、このような状況でできることは、ディーラーがバーストすることを祈るのみです。しかし、ポンツーンは違います。
ポンツーンでは、3枚目のカードが配られた後、そのままプレイを継続するか、最初に賭けたチップをあきらめてゲームを降りることで、追加のチップを返してもらうかを選択することができます。
つまり、プレイヤーはが極めて勝つ確率が低いと判断をしたときに、ディーラーの結果を確認せずに、賭けたチップの半分をあきらめることで損害を抑えることができるのです。
ブラックジャックをプレイされる方なら、これまで数えきれないほどダブルダウンで痛い負けを経験されているはずで、このルールに救世主が現れたような大きな衝撃を受けたのではないでしょうか。
では、このダブルダウンのルール流れを、イラストで確認してみまょう。
3枚目のカードを配り終えた後、ディーラーはプレイヤーに対して、ステイとサレンダーのどちらを選択するか尋ねます。ディーラーは、プレイヤーが判断を行うまで、ゲームの進行を保留します。
イラストの例では、プレイヤーは勝つ確率が極めて低いと判断し、サレンダーを選択しました。サレンダーの選択により、このプレイヤーのゲームは終了となり、清算が行われます。最初に賭けたチップはディーラーによって回収され、追加のチップはプレイヤーに戻ってきます。
※ ゲーミングガイドでは、ダブルダウンにおいて「サレンダー」や「ステイ」の用語は用いられていません。理解しやすさから用いられている俗称です。
● ディーラーがポンツーンならば半分戻る
プレイヤーがダブルダウンでステイを選択した後、ディーラーがポンツーンとなった場合、当然、プレイヤーは負けになります。
ただし、最初の掛け金と追加の掛け金の両方が没収されるわけではなく、最初の掛け金のみが没収されます。追加の賭け金は、プレイヤーに戻されます。このルールのおかげで、少しだけダメージが抑えられます。
サレンダーのルールにも違い
● レイトサレンダーが適用される
サレンダーは、賭けたチップの半分を放棄することでゲームを手じまいできるルールです。プレイヤーとディーラーに最初のカードが配れたときに、プレイイヤーが圧倒的に不利な状況にある場合、損害を減らす目的でプレイヤーが宣言します。
サレンダーには、サレンダーが認められるタイミングの違いにより、レイトサレンダーとアーリーサレンダーの2種類があります。
レイトサレンダーは、ディーラーがポンツーン(またはブラックジャック)でないことが確認できた後に、プレイヤーのサレンダーが認められます。
例えば、次のイラストのような状況の場合、ディーラーの伏せたカードがでないことが確認できた後、サレンダーが認められます。
一方、アーリーサレンダーは、ディーラーのハンドに関係なく、サレンダーが認められます。上記のイラストの例では、プレイヤーがサレンダーを宣言すると、その場でサレンダーが認められます。
アーリーサレンダーは、ディーラーがポンツーン(またはブラックジャック)の場合でもサレンダーが認められる分、レイトサレンダーよりもプレイヤーに有利なルールです。
ブラックジャックでは、カジノによって、レイトサレンダーが採用されているか、アーリーサレンダーが採用されているかが異なります。
ポンツーンでは、ほぼすべてのカジノが、レイトサレンダーを採用しています。これは、カジノ側の取り分であるハウスアドバンテージが小さくなり過ぎないよう、計算された結果と推測されます。
● サレンダーできる状況に違いがある
サレンダーは、ディーラーのオープンカードにより、宣言が制限されるケースがあります。
多くのカジノで標準的に採用されているルールでは、ポンツーンとブラックジャックで宣言できるディーラーのオープンハンドに、次のような違いがあります。
ディーラーのオープンカード | ポンツーン | ブラックジャック |
サレンダーできない | サレンダーできる | |
状況が発生しない | サレンダーできる | |
サレンダーできる | サレンダーできる | |
サレンダーできる | サレンダーできない |
ポンツーンでは、ディーラーのオープンカードがのときでもサレンダーを行うことができます。これはブラックジャックと比べてプレイヤーには有利なルールです。
方、ディーラーのオープンカードがから
の場合は、サレンダーを行うことができません。例えば、ブラックジャックではサレンダーを宣言する次のイラストのケースでは、サレンダーを宣言できません。
※ 繰り返しになりますが、サレンダーできる状況の制限は、カジノにより違いがある可能性があります。初めて訪れるカジノでは、テーブルに座ってプレイを始める前に確認するようにしてください。
インシュアランスにはゲームの流れで若干の違いが発生
ポンツーンにおいても、ブラックジャックと同様に、ディーラーのポンツーンへの対抗手段として、インシュアランスを行うことができます。
インシュアランスを行うことができるのは、ディーラーの1枚目のカードがであったときのみです。
プレイヤーは、ディーラーがポンツーンになると予想したときに、テーブルのインシュアランスのゾーンにチップを置くことで、ディーラーがポンツーンになるということに賭けることができます。
インシュアランスの掛け金は、賭けた金額の半分が上限です。
ディーラーがポンツーンであったときは、2 TO 1 の払戻し倍率で払戻しが行われます。例えば、最初に$50 賭けたときは、ポンツーンに最大$25 を賭けることができます。
結果としてポンツーンとなったときは、賭けたチップと合わせて$75が払い戻されます。つまり、インシュアランスでは$50の儲けとなります。
結果的に、ハンドの負けがインシュアランスの勝ちで相殺され、トータルはプラス・マイナス0となります。
ところで、「プレイヤーとディーラーがポンツーンのときはどうなるんだろう? インシュアランスをすればダブルで勝利?」という疑問を持たれた方はいらっしゃいませんか?
ポンツーンでは、プレイヤーがポンツーンまたは合計21となった時点でプレイヤーの勝ちが確定します。プレイヤーのカードは回収されてハンドがなくなってしまうので、プレイヤーはインシュアランスに賭ける権利がありません。
このポンツーンのときにインシュアランスを賭けることができないことが、ブラックジャックとは異なる点です。
配当
プラックジャックで勝利したときの配当はシンプルですが、ポンツーンではいろいろな配当のバリエーションがあります。この勝ったときのバリエーションの多さは、ポンツーンの大きな魅力です。
基本的な払戻し倍率はブラックジャックと同じ
ポンツーンなどの役がなく、普通に勝ったときの払い戻し倍率は 1 TO 1 です。つまり、賭けた額と同額のチップが支払われます。競馬のオッズ風に表すと、2.0倍となります。
例えば、$100を賭けたときは、賭けた額と同額の$100が支払われ、賭けたチップと合わせて$200がプレイヤーの手元に戻ってきます。
ポンツーンの払戻し倍率は、多くのカジノで 2 TO 3 です。チップを2枚を賭けると、3枚が支払われます。競馬のオッズ風に表すと、2.5倍となります。
引いたカードの枚数に応じたボーナス
ポンツーンでは、プレイヤーが追加で3枚以上のカードを引き、かつ、合計が21となったときに、ボーナスを含んだ払戻し倍率にて払戻しが行われます。このボーナスは、ブラックジャックにはないポンツーン独特のルールです。
例えば、次のイラストのように、プレイヤーが追加で3枚のカードを引き、最初に配られた2枚のカードと合わせて、5枚のカードで合計21となったときに、ボーナスを含む配当を受けることができます。
5枚のカードで合計21となったときの払戻倍率は、3 TO 2 です。引いた枚数が多くなると払戻倍率も多くなります。手札の枚数と払戻し倍率の関係は、次の表のとおりです。
手札の枚数 | 払戻倍率 | 競馬オッズ表記の払戻倍率 |
5枚 | 3 TO 2 | 2.5倍 |
6枚 | 2 TO 1 | 3.0倍 |
7枚以上 | 3 TO 1 | 4.0倍 |
合計が21でなければボーナスを含んだ払戻し倍率が適用されません。ボーナスが適用されるのは、あくまでも合計が21 の場合のみであることに注意してください。
次のイラストのようなケースは、通常の払戻し倍率 1 TO 1 での払戻しとなります。
カードの組合せによるボーナス1:


ポンツーンでは、のカードが3枚揃って合計21となったときに、ボーナスを含む払戻し倍率が適用されます。
が3枚揃った合計21のハンドは、見た目にも美しく、ボーナスを受けるに値するハンドではないでしょうか。
こののカードが3枚揃った合計21のハンドは、カードのマークが揃っているか否かによって、払戻し倍率が異なります。
先のイラストのように、マークが揃っていない場合の払戻し倍率は、ポンツーンのケースと同じ 3 TO 2 です。$100を賭けたときは、賭けたチップを含めて$250 の払戻しが受けられます。
次のイラストのように、3枚ともマークがハート♥ので揃ったときの払戻し倍率は、2 TO 1 です。$100を賭けたときは、賭けたチップを含めて$300の払戻しが受けられます。
次の表は、のカードが3枚揃ったときの払戻し倍率を一覧にまとめたものです。
3枚のマーク揃い | 払戻倍率 | 競馬オッズ表記の払戻倍率 |
マーク揃いなし | 3 TO 2 | 2.5倍 |
♦、♣または♥のマーク揃い | 2 TO 1 | 3.0倍 |
♠のマーク揃い | 3 TO 1 | 4.0倍 |
カードの組合せによるボーナス2:


ポンツーンでは、が3枚揃った合計21の場合だけでなく、
の3種類のカード構成で合計が21となる組合せに対してもボーナスが設定されています。
の組合せでは、
、
、
のカードの順番は関係ありません。
の順でカードが置かれても、
の順でカードが置かれても、この3種類の数字のカードの組合せであればボーナスの対象となります。
の組合せによるボーナスは、
の組合せによるボーナスと同様に、マークの種類が揃っているか否かによって払戻し倍率が異なります。
の組合せの払戻し倍率は、次の表のとおりです。
3枚のマーク揃い | 払戻倍率 | 競馬オッズ表記の払戻倍率 |
マーク揃いなし | 3 TO 2 | 2.5倍 |
♦、♣または♥のマーク揃い | 2 TO 1 | 3.0倍 |
♠のマーク揃い | 3 TO 1 | 4.0倍 |
の組合せの払戻し倍率は、
の組合せの払戻し倍率と同じです。
の組合せの発生確率が
の組合せの発生確率より高いことは容易に推測がつきますので、
の組合せはかなりお得な組合せということになります。
スーパーボーナス
ポンツーンでは、プレイヤーに配られた3枚のカードがマーク揃いので、かつ、ディーラーのカードが
の場合に、高額のスーパーボーナス(super bonus)が与えられます。
ディーラののマークは、プレイヤーの
のカードのマークと一致する必要はなく、どのマークでもスーパーボーナスとなります。
このスーパーボーナスは、が揃ったプレイヤーだけでなく、そのときに同じテーブルでハンドを持ってゲームに参加していた他のプレイヤーも配当を受け取ることができます。
シンガポール Marina Bay Sands Casino のスーパーボーナスの金額は、次のとおりです。*2
プレイヤー | 賭け金 | スーパーボーナスの金額 |
SGD 10 ~ 99 | SGD 1,000 | |
SGD 100以上 | SGD 5,000 | |
テーブルに参加し、ハンドを持つプレイヤー | 賭け金に依存せず | SGD 50 |
SGD:シンガポールドル |
スーパーボーナスの支払いは、元々の賭けの清算とは別に行われます。元々の賭けが負けであっても、スーパーボーナスを受け取ることができます。
なお、プレイーヤーがと
のハンドでスプリットやダブルダウンを行った場合、たとえ
のカードが3つ揃ってもスーパーボーナスの対象とはなりません。
プレイヤーのハンドがマークの揃っていないで、ディーラーが
のときの戦略は、スプリットです。スーパーボーナスが狙えるマーク揃いの
のときに、誤ってスプリットしないように注意が必要です。
※ スーパーボーナスの払戻し金額は、カジノにより大きく異なります。詳細については、プレイを行うカジノで確認してください。
ボーナスの名称もカジノで異なる場合があります。「スペシャルボーナス(special bonus)」というカジノもあります。また、が揃ったプレイヤーへの支
払いを「スペシャルボーナス」と呼び、テーブルでゲームに参加していたプレイヤーへの支払いを「スーパーボーナス」というカジノもあります。
ポンツーンとブラックジャックの違いのまとめ
ここまでポンツーンとブラックジャックのルールの違いと、ポンツーンの配当についてご紹介してきました。この後は、ポンツーン戦略とブラックジャックの戦略の違いについて考えていきます。
その前に、戦略に影響を及ぼすポンツーンとブラックジャックの違いを表にまとめましたので、ここで再確認しておきます。
ポンツーン | ブラックジャック | |
ゲームの道具 | ||
勝敗の決め方 | プレイヤーが合計21となった時点で勝ちが確定する。 | プレイヤーとディーラーがともに合計21ならば引分けとなる。 |
プレイヤーがポンツーンとなった時点で勝ちが確定する。 | プレイヤーとディーラーがともにブラックジャックならば引分けとなる。 | |
ダブルダウン | カードを1枚引いた後、サレンダーを選択できる。 | カードを1枚引いた結果に対してプレイヤーの選択肢はない。 |
ソフトハンドでダブルダウンを行うときは、 |
ソフトハンドでダブルダウンを行うときは、 |
|
サレンダー | ディーラーのオープンハンドが |
ディーラーのオープンハンドが |
配当(払戻) | 5枚以上で合計21となったときに払戻し倍率が高くなる。 | 5枚以上で合計21でも払戻し倍率は同じ。 |
カードの組合せによるボーナスはない。 | ||
プレイヤーおよびディーラーのカードの組合せによる特別ボーナスが設定されている。 | カードの組合せによるボーナスはない。 |
ポンツーンの基本戦略
1つのゲームにおける基本戦略
ポンツーンのゲームを行うときに、最も重要なことは、戦略どおりの判断を行うことです。この点は、ブラックジャックとまったく同じです。
戦略どおりの判断を行うためには、戦略テーブルをしっかりと暗記し、暗記したテーブルを忘れないように訓練する必要があります。
ポンツーンの戦略テーブルは、ブラックジャックの戦略テーブルと比較してかなり大きく、ブラックジャックでは可能であった単純暗記はかなり困難です。暗記するときは、どうしてよのような戦略となっているか背景にある理由を併せて考えることが必要になります。
当サイトでは、みなさんがポンツーンの戦略を理解し、暗記できるように、下記の情報を掲載しています。
暗記した戦略テーブルを忘れないようにする訓練は、「ポンツーン道場」をご活用ください。
過去の結果、傾向からの予測戦略
ポンツーンでは、自動シャッフルマシンを使い、数デッキのカードを1ゲームごとに混ぜて行われます。また、ブラックジャックとは異なり、シングルデッキでのゲームを見かけたこともありません。
このような状況を考えると、カウンティング戦略など、過去の結果を考慮した戦略は、重要視しなくてもよいと思われます。たぶん、テーブルに座ったときは、戦略の判断を間違えないようにするだけでいっぱいいっぱいで、他の難しい戦略に気を配る余裕はないでしょう。
※ ご参考:ブラックジャックの「過去の結果、傾向からの予測戦略」
参考資料
*2:Gambling Regulatory Authority ( A Singapore Government Agency Website ), 『PONTOON (MBS) Game Rules Version 6 w.e.f 27 September 2019』 ※MBS:Marina Bay Sands
最終更新日:2023年03月28日